俺たちは走り続ける

□これが化身だ!@
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「やっと現れたか」

剣城が笑う。その視線の先には


「俺は、雷門中キャプテン神童拓人!そして・・・ここにいるのが雷門イレブンだ」

「えぇっ!?」


松風が驚いた声を上げる。



「神聖なグラウンドでお前達は何をしているんだ」

「・・・サッカー。見てわかんだろ」


不敵に笑う剣城のその言葉に三国先輩が顔をしかめたのがわかった。



その隣で、神童が俺たちの方、セカンドチームをチラリと見て俺と一瞬だけ目が合った。


「礼儀を知らない1年だ。セカンドチームを倒したからっていい気になるな!」

そう言って神童達はベンチまで降りてきた。

「倒した?ちょっと遊んでやっただけさ」


剣城のその呟きは神童の耳に届いただろうか。



「監督、こいつ等は?」

俺も監督に駆け寄る。


「お前はどう思う、神原」
『え・・・。俺は、アイツは噂に聞くシードって奴かと』

いきなり聞かれて驚いたが、思ったことを言った。


「うむ、そうだな・・・。恐らく、フィフスセクターから送り込まれた者だ」

その言葉に部員達は息をのむ。


「・・・フィフスセクター?」

松風は意味が分からず剣城の方を見れば、ただ不敵に笑い事の成り行きを見ている。



「何しにきた」

監督が静かに剣城に尋ねる。

「雷門サッカー部は指示により一新される。お前等は全員、お払い箱と決まった」

「何だと?」

その言葉に神童が突っかかるが


「紹介しよう。これが新たな・・・」

どこからともなく集合したサッカーウェアの奴らを見て黙った。

剣城が指を鳴らして言葉を続ける。


「雷門イレブンだ」



誰もが、事態を飲み込めずに呆然と剣城の言葉を聞いていた。

「お前達の、代わりのな」


険悪な雰囲気の中、松風はどうすればいいのかわからず、剣城たちと俺たちの間でおろおろしていた。
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