俺たちは走り続ける
□雷門に吹く新しい風A
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<松風天馬視点>
「入部希望ね。でも入学式もこれからなのに、こんなに朝早くから何で?」
雷門サッカー棟前。
俺は、サッカー部顧問の音無春奈先生に早速自己紹介した。
「誰よりも早く来て、ビシッと入部を決めておくんです!もういっぱいです、なんて言われたら困るし」
「へぇ。サッカー好きなんだね」
「はい、大好きです。中学になったら絶対サッカー部に入ろうって決めていたんです。
だから、憧れの雷門に入れて、凄く嬉しいんです」
「そう、わかったわ。松風天馬くんだっけ?頑張ってね」
「はい、お願いします!」
「…なんか似てる」
「えっ?」
「君を見てたら昔の知り合いを思い出しちゃって」
「ふーん。あ、そうだ。サッカー部の練習を見てもいいですか?
朝練とかやってないんですか?」
「そうね、そろそろ第2グラウンドで練習が始まるはずだけど」
「見たいです!練習、見学させてください!!」