暗殺教室

□01*
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ここは、何処?
















薄い桜色の髪をなびかせる一見少女のような見た目の少年の名前は、栂敷雪莉。
誰がどう見ても整っていると言うであろうその顔は、眉間にシワを寄せ大いに歪んでいた。


『……ここどこ』


先程まで自分はヨークシンシティにヒソカといたはずだ。

それから、瞬きをした瞬間急に視界が真っ暗になった。
敵かと用心すれば、すぐに真っ暗な世界とはおさらば。

ただ一つ違うことは、ここは廃墟ではなくどうやら何処かしろの建物の中のようだ。幸いなことに人は防衛省の烏間しかいなかった。……もちろん、雪莉は烏間のことなど知らないわけで、敵とみなしていた。

目にも止まらぬその速さで、彼の首もとに鎌を宛がう。時間にして僅か1秒にもならず。その完璧さに、烏間は対応しきれず、されるがままになってしまう。


「っ……誰だ、俺を人質にとろうってのか」

『はぁ?何であんたを人質にとらなきゃいけないわけ?』


苛々している雪莉に僅かながらの殺気をあてられ苦しさに膝をつく。


「あ、んた何者だ……っ」

『それこっちの台詞。あんたじゃないの?僕を念でここまで移動させたのは』


当然烏間はそんなこと知るはずもない。「念?」と呟きながら頭に?を浮かべる。
それを見た雪莉は事の過ちに気付き次第に少し冷や汗をかく。


『あ−……』

「なんだ?」

『人違いだったみたい、ごめんなさい』


鎌を四次元ポケットになおし、頭を深く下げ謝る。
そんな雪莉に烏間は毒気を抜かれ、ため息をはいた。


「俺は何処も怪我をしていないし大丈夫だ」


その言葉に雪莉は安心し、顔をあげた。
その瞬間、烏間は驚き固まる。
それもそのはず、淡い桜色の髪、ぱっちりと開かれた大きな瞳、陶器のような透き通った白い肌、それに映える赤い唇、どれをとってもこの世離れした非常に美しい風貌をした雪莉の姿は、普段むさ苦しい男ばかりの集団にいる烏間には刺激が強すぎた。


『あの、ここは何処ですか?』

「っ、あ、あぁここは国会議事堂だが」

『国会議事堂?って何処ですか?』


雪莉は地図を取り出し烏間に問う。


「……何だこの地図」

『何言ってるんですか?国会議事堂ってこれの何処ですか?』

「ちょっと待て、この地図は違うだろ?」


烏間は近くにあったファイルから地図を取り出し広げる。その地図を見て雪莉はまたしても眉間に皺を寄せる。


『こんなの知らない』


からかってるの?そう言う手前で動きが止まった。
……もしかして、こないだクロロが興味深そうに見ていた本に書いてあった【異世界送り】って……このこと?
何千年かに一度、知らない世界に行く人がいた……という内容だったけど、僕は興味なくてそのページしか読まなかったんだ。もっと詳しく見れば良かった。


急に黙りこんだ雪莉を不思議に思ったのか、烏間が大丈夫か?と声をかけてきた。


『あーうん、全てわかった』

「全て?」

『簡単に言うと、僕は違う世界に飛ばされたんだ。地図がお互い違ったのもそのせい』


ぶっ飛んだ話しだから彼がわかってくれるかはよくわからない。
また、わかっても冗談だと言われて此処を追い出されるかもしれない。そうなれば、僕はどうやって生きようか。

……なんて辛気くさいね。
それよりさ、僕は目の前の彼が気になるんだけど。どうにか手出せね−かな。


「名前は?」

『お、質問か。いいぜ、抵抗しなかったら答えてやるよ』

は?と疑問符を浮かべる彼に、チャンスを見つけニヤリと笑みを浮かべた。
















******


「っ、つまり……お前はっ、栂敷雪莉
で……っ、18さ、い……んんっ、ってわけか……ぁ」


最初は抵抗していた烏間も、性器を直に触られ快楽に身を委ねる。


『で、他はもうないの?』

「ほか……あ、ぁ…やめっ…はぁっ…!」


眉を寄せて快楽に耐えている姿にゾクゾクしながら性器を扱く。


『おしまい?』

「ぁ、いや、出身……と、家族は…っ?」

『出身は流星街で家族は生まれた時からいないけど?……もうイっとけ』

「…っも、出る…あ、あっ!」


爪で弱い部分を集中的にかりかりと引っ掻くと、ビクっと震え一際大きな声をあげ雪莉の手に欲望を放った。


「はっ……はぁっ……」

『濃い−な。溜まってたんじゃね−の?』

「……うるさい//」


後処理をし、顔が未だ赤いまま自身が持っていたタブレットで何かを確認しにいく烏間。
数分後、タブレットをしまいまたしてもため息をはいた。

なんだよー。
面倒ごとに巻き込んじゃったのは悪いと思うけどさー、そう何度もされるとイラッとするんだけど。


「俺は烏間惟臣」

『ただおみ?名前難しいんだけど……烏間って呼んでいい?』

「……まぁ、好きに呼べ」


実は名前で呼ばれたかった烏間。
少し自分の名前が難しいことを悔やんだそうな。


『ところで、何か調べてたみたいだけど何かわかった?』

「あぁ、そのことか。お前の戸籍を調べたんだが、なかった。よって、俺はお前を信じる」


仏頂面を崩し、ニカッと笑いかけてきた烏間。初っぱなから良い人に会えて良かった。性的な意味でも、ね。


「ところで、違う世界に来たってことは家がないんだろ?」

『うん、そうだね』

「とりあえず俺の家に住んでおけ」

『いいの?』

「ただし一つ条件がある」

『……何』

「学校に通うことだ。椚ヶ丘中学校、3年E組に」

『何で?』

「今、3年E組では怪物が担任をしている。その怪物は月を壊したやつで、来年の3月には地球をも壊す予定らしい。そこで、3年E組の生徒らにその怪物を暗殺するよう頼んでいる。その生徒達が危険な目になるべく合わないよう見守ってほしい……それに、E組には怪我した時の保険医がいないんだ」

『……僕、暗殺者だよ?』

「あぁ、そうだろうな。あの動きは素人には出来ない。だが、誰でも殺す訳ではないだろ?」

『まぁ、そりゃ』

「お前の手際の良さを俺は保証する。それに、他の暗殺者よりあいつらとの年齢が近い」

『……まぁ、守るのと怪我の治療くらいならいいよ』

「あぁ、頼んだ。明日から入学を手配しておく」


こうして、僕の学校生活?とやらが始まるのであった。



(あ、一応雪莉、お前の保護者は俺にしといたからな)
(え、烏間僕のお父さんになるの?)
(……俺はまだ28歳だ)
(じゃぁお兄ちゃんポジションだね?)
(まぁ、それでいい)

(そういえばさ、一応言っておくけど……僕男だからね?)
(………………は?)
(いや、いっつも間違われるからさ一応言っといた)
(お前……性別間違えて生まれてきたな)
(僕に喧嘩売ってるの?)
(いや、……それにしてもその容姿だと大変だったろ)
(あ、わかる?なんかさ、よく襲われそうになるんだよね僕。まぁおかげで強くなれたから良いけどさ)
(……(これからは俺が守ってやろう))
(ていうか烏間可愛かったぜ、感じてる姿)
(な、っ!////)

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