Color Variation
□Hair
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「ホントにわたしでいいの…?」
「僕がいいって言ってるんだからいいんだ」
「じっじゃあ、入れるよ?」
―――――――――――――ジョキッ
そう一つの音が耳の裏から聞こえたと思うとスーっと風が気持ちよく感じる
赤い自分の髪が床へ落ちる…
「ホント勿体ないな〜、あんなにキレイな髪だったのに」
ムーと頬を膨らませて(背後にいて顔は確認できないが)拗ねる零
「長くて鬱陶しいだろう?」
「だからって鏡見ないで切るなんて普通ないでしょ!?」
「もー、ミドリンもなんでハサミ貸しちゃうかな」と言う零の手に持ったハサミは正確に赤司の髪の毛を切っていく
「………それに、前髪が邪魔で零の顔が見えづらくなっても困るだろう」
「―――――――ッ、バッカじゃないの!?」
零が言葉を発するのと同時に赤司の髪を切り終わり「はい、終わり」と椅子から立ち上がらせる
「零」
「何?」
「好きだよ」
「………知ってる」
後片付けをする零の手には払いきれなかった赤の髪………
(髪の毛までしつこいな)
(何か言ったかい、零?)
(いいえ、何にも)
愛しい君のものだったら何でも離したくないんだ