硝子玉
□○第4キセキ○
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合宿前日、キセキーズはいつも通りの、コレといって代わり映えのない通常通りの練習をしていた
マネージャーであるわたしと桃井ちゃんはいつも通りコートの端っこで部員の邪魔にならないようにボールを磨いていた
「ねぇ桃井ちゃん、明日からの合宿の準備ってした?」
「えっ、うん。前日にやろうって思っても忘れそうだしね」
的確な桃井ちゃんの先読みに自分の未来を見られているようで少し焦ってしまう
「あっそれとね、今家でレモンの蜂蜜漬けの練習してるの!!」
テツくんに食べてもらうために頑張ってるんだ〜
そう言って笑う桃井ちゃんは恋する乙女そのもので可愛いなと女のわたしでも思ってしまった
赤司くん、この子のどこに保険かけるほど危険なところがあるって言うのかな?
好きな人のために一生懸命ないい子なのに
千鶴の小さな疑問は口をついて出ることなく、その日の練習終了の掛け声にかき消された