硝子玉

□●第5キセキ●
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まるで夢へと誘うようにユラユラと揺れるバスの中




途中ガクンッと車体が揺れると窓ガラスに頭をぶつけそうになる




ガゴッッッ―――――――――――――――





現に今千鶴が顔を思いっきりぶつけた




「ちょっ千鶴、大丈夫!?すごい音したけど」


声は隣の座席に座る桃井ちゃんからかけられたらしい


どうやら先程の千鶴の頭をぶつけた音を気にして声をあげたっぽい



「もう、千鶴は女の子なんだから顔は大事にしなきゃダメだよ」



「あーうんうん」



「私の言葉絶対聞いてないでしょ!?」




桃井ちゃんに怒られながらまだ覚めきっていない頭を使い外の景色を見た




千鶴が寝ている間にかれこれ一時間ほど経ったのだろう



バス内の電子時計が7時38分を示していた



バスから見える道路の標識には「動物注意」の文字



そして、「この先奈良」という案内板の文字が目にはいった
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