□No.026〜033
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「ここがエフミドの丘?」

「そう……だけど……。おかしいな……結界がなくかってる」

「ここに、結界があったのか?」

「うん、来るときにはあったよ」

「人の住んでないとこに結界とは贅沢な話だな」

「あんたの思い違いでしょ。結界の設置場所は、あたしも把握してるけど、知らないわよ」

「リタが知らないだけだよ。最近設置されたって、ナンが言ってたし」

「ナンって誰ですか?」

「え……?え、えっと……ほ、ほら、ギルドの仲間だよ。ボ、ボク、その辺で情報集めてくる!」

「あたしも、ちょっと見てくる」
 
「ったく、自分勝手な連中だな。迷子になっても知らねぇぞ」

「わたしたちも行きましょう」


取り残された私とユーリ、エステリーゼはそのあとを追うことにした。


【skit5呼び名】

「ところで、私の知らない間にエステリーゼちゃんのこと、みんなエステルって呼んでるよね」

「あ、はい!ユーリが考えてくれたんです」

「珍しくまとも!」

「……」

「いいね。じゃあ私もそう呼ばせてもらおう」

「嬉しいです」

「あ、そうだ。私のこと敬称なしでいいからね。そんな大層な人間じゃないし」

「わかりました!タラコ」

「エステルは可愛いね〜。それに比べてユーリ君は可愛げのない……」

「男に可愛げなんて要らねぇだろ」

「要るよ!大事なとこ分かってないなぁ、ユーリ君は」

「分かりたくもないが……つーか、なんかその呼び方、引っ掛かるな……」

「え?」

「いんや、別に」

「「?」」

【了】
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