RЯ(小説)

□白昼のボヌール
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「よぉ、バジル」

目の前に愛しい金色の髪を見つけた。
バジルが振り返る。
俺を見て、少し、ほんの少し目が細められた気がした。

「ウォルター…」

久しぶり。
笑いかけながら言うと金色の髪を揺らして頷く。
可愛いなぁ、なんて少し考えて。
でもなんか元気が無いようにも見える。
一定の距離を保ちながら歩いて、あ。仕事終わったか聞かないと、なんて、

「お前、仕事は終わったのか?」

考えてたらバジルの方から声。
俺が聞こうとした事がそのまま来た。
バジルこそ、と返すと無愛想に終わった事を告げられた。

「俺も終わってる」
「…そうか」

なんか、やっぱり元気無い?
先を歩く背中もなんだか疲れてるような。
バジルはやっぱり街から離れた所に住んでるらしい。
賑やかな街並みが遠くなっていく。
そのあたりでバジルの横に並ぶ。

「どうしたバジル、なんか元気ないな」
「…別に」

顔を覗きこもうとしたら逸らされた。
なんでだよー。
やっぱり疲れてるのか?
まあバジルが大人しく疲れてる、なんて言わないか。
でも元気ないのは嫌だぞ。
窺っているうちにバジルの住処に着いた。
バジルが扉を開けて、俺を先に入れる。
扉の横に棺を置いていると後から入ってきたバジルが扉を閉めて。
そして溜め息をひとつ。
 
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