鋼の錬金術師

□第14話
1ページ/2ページ




「い、いますぐ…?」





「おう!」





クロアは目を丸くして驚いた





しかし無意識のうちにエド達は今すぐに出発したいというのを目で訴えていた





「わかったって!今用意するから!」





そう言ってクロアは支度を始めた





「イヴは…駅でお別れかな?一人で大丈夫?」





「みゃぁ!」





元気良く返事をするイヴをみてクロアは笑った

























「兄さん切符買った?」





「おう!」





そんな兄弟のやり取りをみた後クロアは抱いていたイヴを地面に降ろした





「元気でね」





「みゃー」





イヴはすたすたと人込みの中に消えていった





「良かったの?」





「うん。約束したし」





クロア笑顔で言った





「じゃあ行くか!」





「「うん!」」





























「…リオールっていったらラスト達の持ち場か…厄介な事になる前にクロアを連れ戻しとこうかな」





高い建物の上で様子を見ていたのはイヴの姿ではないエンヴィーだった







「おチビさん達の近くに長く置いとくのも嫌だし」







どうしてこんな気持ちになるのか






エンヴィーはずっとそんなことを考えていた


















































「クロア眠くないの?」





「うん?あーエドが寝過ぎなんだよ。私は平気だよ」





列車が走る中





私とアルは椅子をベッドにして眠るエドを見て話していた





「そっか。兄さん良く食べるは良く寝るわで大変だよ」








「…アルの身体の分かもね」





「え?」








アルはきょとんとした顔をしていたと思う





「だって…ねぇ?」





私がそう言いながらエドをみると気持ち良さそうに寝ていた





「えへ…そうだといいな…!」





アルもそういってエドを見た





「ねぇ!アルたちのお母さんってどういう人だったの?」





「え?…母さん?」





私は大きく頷くとアルは照れ臭そうに話し出した







「母さんは優しくて明るくて…いつも笑顔でね!」







アルは自分の母親の話をする





それはまるで無邪気な子供のように







「僕たちがまだ幼かった頃に病気で死んじゃったんだけどね…」





話を暗くしてしまったと思ったアルはあたふたしながら私に話を振った





「あ、クロアのお母さんは?どんな人だったの?」





「私のお母さんも幼い頃に事故で死んじゃったけど、いつも明るくて優しかった…錬金術は嫌いだったみたいだけどね」





「事故…?」





アルのその質問に小さく頷いた

















「私の誕生日の日に私の目の前で死んじゃった」















列車に揺られながら私はその時の話をした





「誕生日にペンダントを買ってくれるって約束してたの。で、当日に二人で買いに行った。」


















お店には沢山可愛いペンダントが売ってて










どれにしようか迷ってるときだった。










お店が爆発した。










小さな爆発ではあったけど店を支えていた柱が折れてたちまち崩れていった。










私がお母さんを見つけた瞬間










お母さんは上から落ちてきた瓦礫に潰された。
















「その後は覚えてないんだ。気付いたら父が私を抱きしめていた」





アルは驚いた様子で謝った





「ご、ごめん…!」





「え?…ああ、大丈夫だよ。もうずっと前の話だし」





にっこり笑うがアルは下を向いてしまった
















「…記憶を取り戻したところでお母さんとの思い出はその日までしかない…でも







       お母さんを想う日は何度もあったはずだから」















そう言うとアルは顔を上げ私をみた















「だから思い出したい。過去の記憶を」
















そういってまた微笑む





「クロアは…強いね。自分を信じるその力…僕たちも見習わなきゃね!兄さん」





そうアルがエドをみて言う





さっきまで寝ていたはずのエドはいつの間にか起きていた





黙って天井を見つめたままのエドは口を開いた





「そうだなアル。とりあえず俺達の旅の目的が一つ増えたな」





アルは頷き二人は私を見ていった







「俺達兄弟はお前の目的を含め旅をする」





「クロアは僕らに着いていくって言ったけど、違う目的で着いていくっていうのは…なんだかね」





「!!」







私は正直驚いた





驚きと





嬉しさ







「な、なんで…」





「クロアがあそこまで話してくれたからな」





「僕たちクロアのこと全然知らないんだなって改めて思ったよ…」





そうアルが言ったのに対して私は大きく首を振った







「ううん。出会ったばかりだもん。私だって知らないこと沢山あるよ…だからこれから一緒に旅していろんな話しよ?」





「…!!…おうっ」「う、うん!」







私たちの本当の旅はこっから始まった

















Next あとがき

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ