鋼の錬金術師

□第12話
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「お母さんの首にかかってるのきれい!」





「あら!ありがとうクロア。父さんがくれたのよ」





そう微笑むリフェ





「わたしもほしいー」





「じゃあ明日クロアの誕生日プレゼントに可愛いペンダント買ってあげる」





幼いクロアははしゃいでいた







































「クロア?」





「ん?」





どうにか火もおさまり落ち着きを取り戻した町





ホテルで3人食事をとっているとアルが私を呼んだ





「どうしたの?全然食べてないけど…」





アルに言われてみて気がついた





「具合でも悪いのか?」





「違う違う!…ちょっと考え事してた」







ずっと考えてた







「…ごめん!やっぱ先部屋に戻るね」





「クロア!」





私は席を立ち部屋に戻ることにした





パタン





部屋のドアを閉めると私は直ぐにベッドに飛び込み顔を埋めた





私の頭の中は不安と焦りが渦巻いていた













「エンヴィー…」












































「エンヴィー…何故それをあんたが持っているの?」





「…何の事?」





帰ってきたばかりのエンヴィーにラストは問う





しかしエンヴィーは何の事かわかっていない様子だった





「その首飾りよ。クロアのでしょ?」





「ああ…渡されたんだよ」





そうエンヴィーが言うとラストは首を傾げていた





「それ…クロアが母親の形見っていって肌身離さず持っていた物だと思うけれど」





エンヴィーはその事実を聞いて目を見開いた





「バッカじゃないの!?なんでそんな物渡してん…」





エンヴィーははっと何かを思い出した














「行くぞ!クロア!」





クロアは手を引っ張られていたがそれに従わず立ち止まっていた





ずっと俺を見て





「クロア!」





クロアは首にかかっていたものを投げる





「!」





俺はそれを受け取ってまたクロアの方を見た





そうだ





あの時クロアは小さく口を動かして何かを言っていた


















”待ってて”















「エンヴィー?」





「ラスト…クロアのことは俺に任せてよ」





エンヴィーはそれだけ言って立ち去った


















































コンコン





「エド、アル」





開いたドアからクロアは顔を覗かせた





「…さっきはごめん。急に…」





「別に怒ったりしてないよ」





クロアはそれを聞いて少しホッとしていた







「俺らは無理に聞いたりしない。お前が話したくなったら話してくれればいいしな」





「…ありがとう」







クロアがそう言うとエドは照れ臭そうに目を逸らした





「そう!僕たちクロアに聞きたいことがあるんだ!」





「ああ!前に調べてた資料でちょっとな」





エドとアルはそう言ってクロアに資料を渡す





「ここ!イシュヴァール殲滅戦の時の何だけどね。この人の名前」













”ノア・ロード”













「…ロード。知り合いか誰かか?」





クロアは資料を見つめているだけで返事は返ってこなかった





「クロア?」














「お父さん…」















クロアはぽつりとそういって資料をにぎりしめる





「この人がクロアの父親!?」





「おいおい…ノア・ロードって有名な錬金術師だぜ?」





「そうだよ。風神とも呼ばれてたんだって」





まだエド達は驚きを隠せずにいた







「大総統も国家錬金術師にすごい薦めてたって…」





「風で一つで辺りが何もなくなるとか…」







クロアは2人の噂とも思われるような問に全て頷いた





「うへぇ…まじかよ…」








「クロアのお父さん賢者の石を持ってたかもしれないんだ!」








「!」






クロアは目を丸くさせる












父親を見つければ賢者の石







賢者の石を見つければ父親







どちらかを見つければ記憶も…












「で、でもお父さんは賢者の石の研究をしてた…」










持っていたなら







賢者の石の作り方を研究してたんじゃない


















「…クロアの父親って賢者の石の何を研究してたんだ?」


















ドクンッ





「わ…わかんない…」








エドのその言葉にクロアの身体は震えてた





まるで身体だけが全てを知っているかのように






「あ、ごめん!無理に思い出そうとしなくていいよ!」





「ごめんねクロア!大丈夫?」





「…大丈夫。だけど………?」





クロアの窓の外を見て止まった








「みゃー」







「…猫…?」








クロアの目線の先にいたのは窓の前の木に登っている黒猫








「兄s「駄目だ」








「木から降りれないんだ…私行ってくるよ」





そう行ってクロアは黒猫を保護しに行った















「みゃー……」






















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