鋼の錬金術師

□第7話
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「あ、あんたが風の錬金術師だったのか…!?」





「え、鋼の錬金術師って………小っさ…!」








「だぁれがみじんこどちびかぁぁぁああ!!!!!!」








そこまで言ってない…。





しかしまさかこんなところで会えるとは思ってもいなかった








「はぁ…一応自己紹介しとくか。エドワード・エルリックだ!で、後ろにいるのが…」





「弟のアルフォンス・エルリックです」





エドワードが後ろに立っている鎧を軽くコツンと叩くと鎧は行儀良く自己紹介した





「私はクロア・ロード。よろしく、エドワード、アルフォンス」





「俺たちのことはエドとアルでいいぜ。こっちもクロアって呼ばせてもらうからな」





そうエドが言うとアルが「よろしく」と言った








「ところでさ…」





突然エドが小声で聞いてきた







「大佐とどういう関係?」







「…は?」







どうやらエドとアルはさっき部屋に入って来たときの状況を気にしているらしい







「クロアと私は恋びt「ただの無能としか思ってない」





「クロア…………。」







無能と言われ大佐は俯いた







「あっはっはっ!クロアって面白い奴なのな!

  初めて会ったときは難しい本ばっか読んでっからもっと堅い奴かと思ったよ!」





「そういえば兄さん何処でクロアと会ったの?」





アルは頭にはてなマークを浮かべ聞いた





「こないだだよ!図書館に行った日」





「…………あぁ!…なるほど〜」





姿は鎧だが明らかにニヤついた声をしたアル







「な、なんだよ。気持ちわりぃな!」







そういってエドはアルの鎧を軽く殴った











「……………あのさ…聞いていいことなのかわかんないけど…」






「なんだ?」









エドがクロアを覗き込むような形で聞き返すと




クロアはエドと目を合わせた













「アルは中からっぽ?エドは機械鎧?」














「……っ!なんでそれを!?」





「大佐から聞いたのか!?」






アルとエドはロイを見るがロイは冷静に答えた







「私は何も教えてない。彼女は知識があり頭がいい」







するとクロアはアルの鎧を軽く叩いた





「まず空洞音。でもエドが叩いたときもこの音だったっけ?…もっと硬いものが当たる音」





そうクロアは言って「あと若干右と左で違う足音」と付け加えた








エドはさっきと自己紹介したとき右手でアルを叩いた







クロアはその時の音を聞いてアルがからっぽということと

エドの右腕左脚が機械鎧だということに気付いたのだった








「すごい…うちの先生みたいだ…」





「はぁー…わかった。後で全部話すよ。とりあえず場所を変えようぜ」





そういって一旦ロイと別れ、外に出ることにした
















































「ごめん」





「な、なんだよ急に!」





急に顔を伏せ謝るクロアにエドはおどおどしていた





「ホントは言いたくないことだと思った。なのに…」





「どうせ知られることだ。気にしてねぇよ」





「そうだよ。いつまでも隠せるものじゃないし」





エドとアルはそういいながら近くの公園まで足を運んだ







「さて何から話せばいいのやら…」









エドは父親が家を出ていったこと




母親が病気で死んでしまったこと




人体錬成をしたこと




右腕と左脚をなくし




アルの魂を鎧に定着させたこと





そして元の身体に戻るために賢者の石を探していること





すべてを話してくれた











「人体錬成…昔私もそんなこと考えてたかもしれない…」





クロアはぼそっとそう言った





「かもしれない…?」
















「うん…記憶がないから…」


















クロアがそういってエドが何かを言おうとした瞬間





軍服をきて走ってくる人の大きな声に掻き消された






「クロア!」





「ハボック…?」「「ハボック少尉!?」」





走って来たのはジャン・ハボックだった





「大佐が早く戻ってこいってさ。ああ、鋼の大将たちがいるからか」





「なんで?」





ハボックは小さく溜息をついてからエドに言った







「大佐はクロアの保護者だからだよ」







「いや、違うし。…ちょいと行ってくるから待ってて」





そういってクロアはロイの元へ行った








「なぁハボック少尉。大佐とクロアってどういう関係なんだ?」





「…大佐は過保護なんだよ。3ヶ月くらい一緒に住んでたもんだから」








「「大佐とクロアが…!?」」












































「なんですか急に…」





「どうせ君の事だから鋼のと一緒に旅にでるとか言い出すんだろう」





クロアはそう言われ目を逸らした





その通りだったからだ





「バレバレでしたか…」





するとロイは少し悲しそうな目をして












「絶対に死ぬなよ」













そう言った





クロアはそれに対して微笑んだ





表情はロイと同じ悲しそうに




















「行ってくるね。ロイ――」

















































ねぇロイ





私国家錬金術師になるよ





真実が…知りたい





記憶を取り戻したい…っ




















「また私から離れていってしまうんだな…」





そう残されたロイは独り呟いた











 

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