鋼の錬金術師

□第2話
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鳥の鳴き声が家の中に鳴り響き目を覚ました





結局昨日はたった一つの暗号を解き疑問が増えただけであった





「……………今日はなにしよう…」








ふと何故かロイが言っていた言葉が頭にうかんだ





『鋼のは今年の査定がまだだからその時にでも会えるだろう…』





今年の査定がまだだから…





査定がまだだから…





査定…







「あぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!!」







叫んだ後にすごいスピードで着替え家を飛び出した





「馬鹿だぁ…査定忘れるなんて…!」




急いで車を捕まえて中央まで向かった














































「うむ…ご苦労」





「大総統ー…」





このやり取りは何度目だろう…





「ちゃんと読んでくださいよー」





「読まなくとも君の活躍は聞いておる」





「はぁ………。」





すると大総統は言った










「今後の活躍も期待しているぞ


        風葬の錬金術師くん」










「……はい」





少し沈黙があったあと私は返事をした




多分大総統は表情が曇ったのに気付いているだろう





「イシュヴァール殲滅戦の時も…おっとこんな時間か」





そう大総統は時計をみながら言った



私は仕事だと察し「失礼しました」と言って部屋を出ていった
















風葬の錬金術師…かぁ





考え事をしながら歩いていると昨日ぶりの人物に出会った





「あ…大佐」





「む…クロアか」





同時に言ったためか大佐も黙り込んだが



先に私は沈黙を破った





「大佐……私多分…大佐がいなかったら父捜しも記憶も全部諦めてたと思います」











今しか聞けないと思った





なんでか知りたかった…











「何故…私を拾ってくれたんですか」




「…君はいつも突然だね」





そう大佐は微笑し窓から見える空を見た




































なんでだったか





思い出せば





2年前の







あの日







それが私たちの出会いだった



















































「はぁ…残業続きでいい加減デートでもしたいものだよ…」





ぼそっと呟いただけだったが



そこにいた全員が私の方を見た





「何言ってるんですか大佐…」





拳銃を構える中尉





「そうですよ。これもデートしてるようなもんでしょ」





めんどくさそうなブレダ





「みんな頑張ってますから大佐も頑張りましょうよ」





真面目に言うフュリー





「それともこのショーギというもので遊びますか」





少し遊びたそうなファルマン





「ていうか大佐はずるいんすよ!俺達はデートする相手すらいないんすから!!」





最近彼女と別れたばかりのハボック







「あああ…もう何も言わないでくれ…」







いつもどうりだった



中尉があの報告をする前まで







「そういえば大佐…いまさっき一般人から報告が…」





「あー…もう鋼のの件で疲れたのだ…」





ほっとけばいいと言おうと思った瞬間



カチャっという音がした





「大佐…」





「あー!!わかった!言ってくれ!!」





そういうと中尉は銃をしまった







「隣の家がおかしい…との事です…」





「なんだそれは!自分達でどうにかすればいい話だろう」





すると中尉は困ったように実は続きがありますと言った





「殺される…あの家はおかしい…と」





「はぁ…これも軍の仕事か……とりあえず行ってみるか…」





そういって私と中尉で向かうことになった


































コンコンッ





私がドアをノックすると中から慌ただしい足音がした





そして勢いよく中年の男がでてきた





「あぁ!軍人さん!!やっと来てくれた」





出て来た男は私に泣き付くようにしがみついてきた





「あの隣の家だよ!錬金術の親子が住んでいるんだ」





男の話によると隣の家には親子が二人で暮らしているらしい




しかも錬金術師だとか





私は名前を聞くと男は震えながら言った





「あの…有名な男だよ…!名前は……」














ノア・ロード














「…!!あのロードか!」





「そうだよ!!イシュヴァール戦の時は風神とも呼ばれたあの男さ!」





私はその男の話を聞いた後急いで隣の家に向かった







「大佐…」





「あぁ…」





私も中尉も表情が険しくなっていた







コンコン





「ノア・ロードさん…中にいますか?」




返事はしなかった







しかし不自然なことに家の中の電気はついたままだった





私と中尉は合図をとり中へ入ってった






ギィ







静かにドアが開いた







「…っ!!これは…!」





中尉は目を丸くした





私は家の中に一歩踏み込んだ










「うっ…酷い匂いだ…」


































そこは












部屋一面












真っ赤な世界だった
































「これは血ですか…」





「ここまで酷いとペンキに見えるな…」





すると血の海の真ん中で何かが動いた





「!!」






















































「そこに私が倒れてたんですね」





「あぁ…血の海の中にただ一人…」





クロアは顔を伏せた





「覚えてないだろうけど、目を覚ました君は人形のような目をしていた」





ロイはクロアの頭にぽんっと手を置いた















「放っておけなかったんだ」














ロイはクロアに背を向けて





理由はそれだけだよ





そう静かに言った

















10.08.23 改訂
 

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