秘密の隠し扉

□風邪の治療法
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「侑斗、喉渇いてない?」

俺の言葉に侑斗はコクンと頷いた。

俺が机の上に置いてあったスポーツ飲料水の入ったペットボトルを持つと蓋を開ける。

「起きれそう?」

そう聞くと侑斗は少し間を置いてから頷いた。

たぶんまた大丈夫なフリをしたんだと思った俺は片手で侑斗の体を起こした。

そしてペットボトルを受け取ろうとした侑斗の手をやんわりとつかむとペットボトルに口をつけた。

そんな俺を侑斗は不思議そうに見てくる。

ある程度の量が口に入ったところで俺は侑斗の頭をつかむとそのまま口付けた。

「んっ!」

俺の行動に驚いた侑斗が俺の体を離そうとしたが相手は病人。

俺の力に叶うはずもなく逆に苦しくなって口を開けるはめになった。

それを俺は見逃さず、侑斗の口の中に飲料水を流し込んだ。

急に流れ込んでいた飲料水に侑斗は俺の服をきつくつかむとゴクッと飲み干す。

全て移し終わったところで口を離すと侑斗が物足りなさそうな目で見てきた。

わずかに開いた口から覗く舌に俺は違う意味で喉を鳴らした。

「ねぇ…侑斗…」

「…ん?」

「風邪を早く治す方法って知ってる?」

俺の問いに侑斗は首を傾げた。

「知らない。ねぇ、英士。水…」

そう言って俺の手にあるペットボトルを取ろうとした侑斗の手を俺は再び押さえた。

そしてペットボトルを机の上に戻すと侑斗の上に乗り、その体をベットに沈めた。

「え、英士?」

そんな俺を侑斗が不安気な目で見上げてくる。

俺は侑斗を安心させるように笑みを浮かべると飲料水を飲んだ事で少し潤った唇にキスをした。

何度も角度を変えてキスをすると苦しくなった侑斗が少し口を開いた。

その少し開いた隙間に俺は舌を滑り込ませると侑斗の口内を犯す。

「ふっ…ん…ぁ…」

侑斗の甘く、それでいて苦しそうな声が聞こえてきた頃、俺はそっと唇を離した。

乱れた息を整えようと呼吸を繰り返す侑斗の額に俺は触れるだけのキスを贈った。

「俺が風邪、治してあげる」

そう言うと俺は少しボーっとしている侑斗のパジャマに手をかけた。
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