ポケモン文

□さようなら、ありがとう
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グリーンは一人で知らない道を歩いていた。



(どこだ、ここ)



ジョウトでもカントーでもない、自分の知らない道を歩いている。
だけどグリーンは止まらなかった。

立ち止まってはいけない気がしたのだ。



(………あ)



歩き続けていると前方から麦藁帽子を被った少女がやってきた。
外見では男と認識できるのだが、何故かグリーンは女だとわかった。理由はわからない。


ただ、性別はわかるが後のことは知らない。
知っていた気もするが、グリーンにはわからない。



そんな麦藁帽子の少女と擦れ違う時に、少女がぼそりと呟いた。



「あなたは優しい。強い。そして僕は悲しい。……僕は、許さない」



その言葉がグリーンに向けられているのかはわからなかった。
だがグリーンは何も返さず歩き続けた。麦藁帽子の少女も何も言わなかった。








次にグリーンの前方に現れたのは、茶色の髪の女だった。
グリーンはこの女を知っている気がしたが、よくわからなかった。


その女は麦藁帽子の少女と同じく、すれ違い際に言葉を呟いた。



「私は見てることしかできなかった。もう見ることができなくなって、悲しいの」



そう言って、女は去った。
グリーンも振り返らず、また歩き続ける。

だけど、どこか悲しかった。








そして、次に出会ったのが帽子を被った男である。
挑戦的な赤い目をグリーンは知っていたが、やはり後は知らなかった。


また同じように擦れ違う時、男は呟く。



「終わりはそれぞれ。それは知っていたけど、受け入れられない俺は愚者なんだよ」



グリーンはやはり何も返さなかった。ただ胸が苦しくて苦しくて仕方なかった。
男も何もなかったかのように歩き続ける。


だが、何を思ったのかグリーンの方を振り返って言った。



「俺は、お前の1番だったかな。お前を大切に出来てたかな。なあ、グリーン」



初めてグリーンの名前を呼んだ男は、グリーンが振り返った時にはもう前方を向いて歩き始めていた。
グリーンは追いかけようと思ったのだが、ついさっきの声が震えていたのに気付いて止めた。

そして歩き続けていて初めて口を開いたのだ。



「お前から与えられるものはなにもかも、俺にとっては十分だった。………ありがとう」



柔らかな笑みを浮かべてグリーンは男に向かって言った。聞こえていたのであろうか、男は振り返らずに右手を上げて振る。

グリーンはそれを見て、声に出さず男の名前を呟いた。




また歩き始めたグリーンは、今まですれ違った三人とは反対の方向へ歩き続け、そしていなくなった。











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意味不明\(^O^)/
要はグリーンが死んだ話。まあロケット団付近に殺されたかなんか。



補足。

最初に会ったのはイエロー。許さないのは二重の意味。簡単に死んだグリーンを許さないのと、グリーンを殺したロケット団を許さない。

二番目はブルー。
少し片思いしていた。もうグリーンが死んだので見れなくなったのが悲しい。

最後はレッド。
なんか理屈では理解してるけど、やはりどこかで死んだことを受け入れてない。もう俺馬鹿だ。



その後、グリーンは完璧に意識も消えます。




元ネタはあるんですけどね、全くそれっぽくない。



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