ポケモン文

□重度彼依存症
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物心ついたときから一緒で、どこへ何するのも大概一緒だった。そりゃもうお互いの親が呆れるくらい。
俺がインドア派のグリーンを連れだし、グリーンはアウトドア派の俺を室内に放り込む。その行為がお互いに足りなかったものを補わせる結果になり、こうもまあ口達者な青年に成長しました。


思えば離れたことなんかない。修業のためにチャンピオンの座を放り出してまで篭ったシロガネ山をまさか三日で出てきたほどだから。
まあそれほどまでに俺はグリーンと離れたくなかったのだ。寧ろ三日持ったことに万歳!本当、一日目で泣きそうになったからね。ホームシックより、彼欠乏症。

三日ぶりのグリーンは「半年篭ったら褒めてやったのに」とかなんとか言ってたが、本心でないのは手に取るように分かる。これだけのクソ長い時間を共有してきたのだから当然だし、何よりいつもより笑顔だからだ。


(小さな変化も見抜いてやるぜ。だって俺とお前はお互いがいないと生きていけないもの)


ずっとずっとこれからも一生。俺たちは離れることもせず、馬鹿みたいに寄り添って生きていくのだろう。
ああなんて素晴らしい独占欲!底を知らない依存!


縛り縛られ、俺たちは。
お互いに依存し合って、戻れないところまで行くのだろうね、グリーン。



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