FE文
□10000hitエフフォル
1ページ/1ページ
今日も相変わらずいい天気である。
ここ二、三日続いていた魔物との戦いが嘘のような日だ。軍が駐屯している場所が緑豊かな場所だということも、こう思わせる一因なんだろう。
「本当、平和だなぁ」
ぐぐっと背伸びをして、俺は欠伸を一つ。
暖かい陽射しを浴びていると眠くなるのも当たり前だと思う。……あーあ、本来なら俺は今頃寝ることができたのに。
急に誰かがふらりといなくなるから、俺はこうして探し回ってんですけどね!!
「……早く出てきて下さいよ、エフラム様ぁ。俺の自由時間が無くなっちゃいますよー」
そう力無く言ってもエフラム様が出てくるわけもない。というか聞こえていても出てくることはないだろう、エフラム様だから。
今頃どこかに上手く隠れてのんびりしているのに違いないだろうな。いいな。羨ましいな。
(俺だって、のんびりしたい)
常に所構わず昼寝したりしている俺が言ったらおしまいか、なんて考えつつのろのろ歩く。
きっとこんなところカイルに見られたら叱られるに違いない。
さっさとエフラム様を探すに限るな、これは。
「エフラム様ぁー」
自分でも実に無気力な声が辺りに響き渡る。
無論、その声でエフラム様が出てくる訳がない。俺は本日何度目かのため息をついた。
諦めた俺は力無く肩を落として、ゆっくりと歩く。
口からは全く見つかりもしないエフラム様に対する悪口が引っ切り無しに呟かれていた。
「ほんっとうに隠れるのは上手い人だなぁ。それで人を困らせるのも上手いし……しかも被害者はたいてい俺だし。また今日もろくに休めれずにカイルに怒られるんだろうなぁー。あー嫌だなぁー。本当にいい加減にして下さいよエフラム様。わがまま、自己中心的、俺様、人の話は聞かないし、無茶ばっかりするし………エフラム様のはーげ」
以上の言葉に自分でも驚いた。己の主人に対しての悪口がここまですらすらでてくるとは思わなかったからだ。
さすがに言い過ぎたか、と思いゆっくりと辺りを見渡す。誰かに聞かれてまいか心配になったが、いつもの調子がアレな俺ならそう疑問に思われないだろう。気にも止めずに歩き去ってしまうに違いない。
よし、それならいいだろう。
そんな結論に至った俺は、周りを気にせず再び歩き始める。
「ちょっとまてフォルデ!!」
……だがどうやら気にする人物がいたらしい。
その人物は俺の近くの木から音を立てて飛び降りてきた。そしてずかずかと俺に近寄ってきて、力強く手を掴んでくる。
俺はというと、人物が人物なので逃げることが出来なかった。
「げっ……エフラム様…」
「全て聞かせてもらったぞフォルデ!誰がハゲだ、誰が!!お前はハゲの人間と付き合いたいのか!」
「あー……やっぱ気になるんですか、ハゲ。ちなみに付き合いたくはありません」
まあ……いくら他人が気に止めなくても、本人は気にするだろうな。
ってか何で木の上で寝てるんだ、この人。うらやまし……じゃなくて、仕事しろよ。
「…探したんですからね、エフラム様。仕事して下さい」
「嫌だ。エイリークには悪いが嫌だ」
「ああ、おいたわしや…エイリーク様」
「本当にすまないと思っている。でも俺は寝るぞ」
そう言い、エフラム様は再び寝るために木に近寄った。何故か、俺の手を引いて。
「あ、あのエフラム様?」
「なんだ、嫌か?」
「いやあの、嫌とかの以前の問題でですね。………俺も寝るんですか?」
「そうだな。ここまできたんならお前も寝ろ。滅多にない休みなんだから、寝ておけ」
木の根本に腰を下ろしたエフラム様は、促すように地面を叩く。
ちょっとエフラム様の言葉に行動停止していた俺だが、すぐにエフラム様の横に座った。
エフラム様は俺を引き寄せて、目を閉じる。肩に寄り掛かる格好になってしまったことに、多少恥ずかしいがそれより嬉しさが勝った。笑みを浮かべて、俺も目を閉じる。
「おやすみなさい、エフラム様」
「ああ、おやすみ」
昼寝にうってつけの場所と気候で、俺はすぐに意識を落とした。
すぐとなりの温かさが、妙にくすぐったくて嬉しかった。
--------
大変遅くなってしまいました!蝶さまに捧げます、よくわからないエフフォルです。なんか色々すいません(^^;)
こんなぐだぐだな文ですが受けとってやって下さい!
これからもよろしくお願いします!
10000Hitありがとうございました!