FE文

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日々の仕事に嫌気がさしたので、木陰でサボっていた時のことだった。

不意に頭上から声をかけられたのだ。(しかもそれがまた聞き慣れた奴の声だったのが癪で仕方がない)



「おいティバーン!職務放棄するなってあれほど言っただろうが!!」



……お前にだけは色んな意味で言われたくない。

そう言い返そうかと思ったが、睡魔が勝ってしまったので口は言葉を紡がなかった。
代わりに手が動き、太陽と重なる位置にいるネサラに向かって手招きをした。

馬鹿じゃないのか俺の右手。ネサラを自ら近くに呼んだらろくなことにならないことを知ってるだろうが。


………くそ、見るからに嬉しそうな顔してやがる。



「お前の右手は素直だな。表情もかなり素直だが」

「……うるせぇよ……俺は眠いんだ……第一、俺を見つけても城に連れ帰る気は無かったんだろ?」

「当たり」



いつもの笑みを浮かべたネサラは俺の横に座り込んだ。

国王と重臣がこんなところで職務放棄していてはいけないのだとは分かっている。でも自由にしていたいのだ。職務に追われてすし詰め状態のまま日々を過ごすことに嫌気がさしたのが本音だが。

だから窓を開けて飛び出した。このままでは確実に発狂していたからだ。


そしてたどり着いたのが、ここ。



「いい昼寝場所かつサボり場所を見つけたな」



ネサラも絶賛だ。

森の中にあるのに、日の光は十分届く場所。大きな木が調度いい具合に木陰をつくっており、風通しも良好なので寝るのに持ってこいの場所となっているのだ。



「仕事なんかどうでもよくなるだろ」

「お前は本当に部下泣かせだよな。………ほら頭あげろ」



いつの間にか髪を梳いていた右手が俺の頭を支えて、軽く持ち上げた。
半分意識が無いに等しい俺は声も上げずにぼーっとしているしかない。


その後、そんな時間もかからない内に俺の頭はネサラの膝の上に置かれてしまったのだ。



俗に言うひざ枕状態になってしまっている。



「………あ?」

「何だよ、ご不満か?」



嫌、不満はない。
頭がいい高さにあるため、むしろ快適だ。


ということなので、疑問に思ったのは別の事。



「俺がやるべきじゃないのか」

「別にいいぜ。城帰ったら思う存分やってもらう予定だしよ」

「予定は未定だな」



ネサラの思惑を未定という言葉で終わらせ、俺は睡魔に従って寝ることにした。
ネサラは相変わらず髪を梳いてくる。心地はいい。



「………おやすみ」

「ああ、」



おやすみ。


まるで子供に言い聞かせるような柔らかい声で、ネサラは言った。
その声と暖かさで、俺は確実に意識を手放した。





(この空間のネサラだけが、今の俺の全て)






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歩さまへ


うわわわ、なんか物凄いぐだぐだな物になってしまいました。
甘いのかどうかも怪しいですし…!


こんなのでよろしければ是非貰ってやってください!







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