銀の夢

□大好きだから
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私は銀さんに会いに歌舞伎町に来た。


(そう言えば・・・)

初めてのデートで銀さんと歌舞伎町に来たことを思い出す。



―――――――――――――



「ねぇ、銀さーんっ!聞いてるの?」

「お、おぅ。すまんすまん」


そう、これはデートとは言っても銀さんは仕事中なのだ。

万事屋には浮気調査の依頼がきていた。

毎週日曜日に彼氏がどこかへ行っていて、どこへ行くのか行き先を言わないから不審に思った、
という彼女からの依頼だった。

だから日曜日にその彼氏を尾行していると歌舞伎町についた、という訳。



銀さんと二人で何処か行くなんて初めてだし、私にとってはこれが初デート。


「でも付き合って5年にもなる彼女がいるのに浮気なんて酷いね」

「まァだ浮気とは決まってねぇだろ。ったく、女ってのはなんで男が違うことしてたらすぐ浮気ってなるのかねェ?それこそ酷いと思うよ、銀さんは!!!!偏見だね!男に対する」

銀さんは熱弁する。

「それは・・・ごめんね?でもそんなに一生懸命にならなくても」

クスクス

私は思わず笑ってしまう。


「っおま!何笑ってんだよ。これは男として大事な問題だろォが!浮気してねェのに浮気だって言われて別れることになったらどうすんだ!」

「それって私のことも?」

少し真面目に聞いてる。
だって銀さんからそんな恋愛の話なんて聞いたことないから・・・・


「………っ」


銀さんが一瞬立ち止まり、

何か言いかけた時



「おーい、銀さんじゃないかー!!」

「長谷川さん?」

突如私と銀さんの間に長谷川さんが割り込んできた。

そしてなにやらどこぞに新しいパチンコ店が出来て玉がよく出るだのなんだの…


いいところでいつも邪魔が入る。

きっとそのせいで銀さんの気持ちも掴めなくなるんだ。


そして、

「やっべ!俺今仕事中なんだよ。すまねぇな・・・」

そう言って慌てて走り去る。


もちろん、私を置いて……




―――――――――――――――




(あ゙〜、なんかちゃんとしたデートってしたことないなぁ)

私が一人悶々としていると、目の前に信じられない光景が広がっていた。





銀さんが、私の知らない美人の女の人と腕を組んで歩いている。





どういうこと・・・・・!???






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