迷子の夢
□happy birthday
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―――――2月25日。
「カイトぉぉぉ!!!シャンプー切れてるよ!」
お風呂場の方からマスターの声が響く。
カイトはお風呂場の方へ近づき、
「マスター、お風呂場の棚を見てください」
と、一声。
「・・・ん?……あっ!!・・・あったぁ!カイトはもう買ってくれてたの?!」
という興奮気味のマスターの声を聞いて、少し口元が緩む。
「はい、もうそろそろ切れる時期かと思ってこの前買っておいたんです。じゃあ、夕飯作りますね」
そして、台所へ行こうとした時
ふいに脱衣所のドアが開き、
裸に無造作にタオルを巻いただけのマスターが
「カイト、いつもありがとね」
と風呂で火照った顔で言って、またお風呂場へと向かう。
その場に一人呆然と立ち尽くし、オレは頭の中の煩悩と戦う。
マスターは無防備過ぎて困る。
オレなら大丈夫だと安心しきっているのだ。
こっちは理性を抑えるのに必死だというのに、だ。
もうすぐマスターの21歳の誕生日だ。
「マスター、絶対にオレのこと男として見るようにしてみせますよ・・・」
ふふふ、と決意を新たに夕飯の支度に取りかかる。
決行日はマスターの誕生日である2月28日。
さて、一体何をしようか。
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