企画
□二人並んで
2ページ/8ページ
「アイスー!!」
空き教室にクーラーをかけて二人で占領する。
夏休みにここを使う人はいない。
溶けかけた保冷剤を頭に乗せつつ、日向が嬉しそうにコンビニの袋を開けている。
尻尾が千切れんばかりに振られているような錯覚にすら陥れさせられる。
「それで良かった?」
日向は一つでいろんな味が食べられるのが好きだ。
ほとんどア〇スの実。
俺はガ〇ガ〇君。
「そう!コレ!
杏弥は期間限定味でしょ?」
「あぁ。」
包装の端をもって渡さられる。
指がぷるぷるしてる。
「…普通に持てば?」
「いや、溶けちゃうじゃん?」
「日向かわいい!!」
頭をがしがしと撫でる。
ちょっとの事でも俺(のアイス)を心配してくれるなんて!!
「痛いって。
ほら、溶けないうちに食べよう。」
くすくすと笑いながら日向は言ってアイスを食べ始める。
俺(のアイス)は気にしてくれるのに、自分のアイスはいいのか、箱を手の上に乗せている。
そっちのが溶けるぞ?