企画
□いつも一緒。ずっと一緒。
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「えー」
「えーじゃない!かわいいけど!」
だんだんと悲しげな顔になってゆく杏弥。
「夏休みだし、できる限り一緒にいたいじゃん。てか、毎日。むしろ一生。4日間ほんとに頑張ったし、日向抱きしめたかったし。キスだってしたかった。」
そして、抱きしめる。
「でもさ、宿題なんかに拘束されて、苦しい夏休みとか、やじゃん。だからさ、頑張ったんだよ?日向といるために。」
「杏弥…」
「だからさ、だからさ、ご褒美ちょうだいよ。…だめ?」
昔からどうしても杏弥のこの表情には勝てない。
「…だめじゃないのくらい分かってるくせに」
こんな言い方でしか返せないくらい。
知っているくせに。
日向がこの4日間、寂しくて仕方がなかったこと。
メールをしても返ってこなかったときのショック。
そして、今日、急に来て、抱きしめたときの嬉しさ。
知っているくせに、知らない振りをしているからこそのちょっとした仕返し。
そのおかげ(?)でこんな顔が見れたならば合格点だ。
「だからさ、いいよ。ご褒美あげる。」
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