企画
□幼なじみという隠れ蓑
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翌日の帰り道
「ひーなーたっ!」
「何だよ!?」
「何でもない。」
「今日の杏弥、気持ち悪い…」
「…え」
「ずっとニヤけてるんだもん。」
「だってぇ今日はー、日向をど く せ ん できるから!」
(…いつもと口調が違う。イヤな予感しかしないよ。)
家に着いてからは課題をやったり、意味の無いおしゃべりをしたりして過ごした。
(…予感は外れたみたいだ。)
日向はホッとしたような、寂しいような少し複
雑な気持ちになった。
「日向、今日の飯どうするの?」
「母さんが杏弥なら冷蔵庫の中、自由に使っていいって。」
「俺、信用されてんなー」
「小さい頃から家に出入りしてるからね。」
杏弥が作った美味しい夕飯を食べて、テレビを
観ながら過ごしていると…
「日向、なんか眠そう。先に風呂入ってくれば?」
「じゃ、そうする」
(なんか、今日の杏弥は異常に優しいな。ま、いつも優しいか…。)
なんてことを呑気に考えながら日向が湯船に浸かっていると、突然風呂場の扉が開き、裸の杏弥がズゴズゴ入ってきた。
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