企画
□最初はまぁ普通に。
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(んー...どうしよう。)
日向はものすごく悩んでいた。
明日は杏弥とデート
別に初デートでもないし、今の関係になる前から頻繁に2人で遊びに出掛けていたから、今更緊張することもない。
問題なのは、明日のデート先がカラオケなことだ。
2人とも遊び盛りの高校生。
カラオケはよく行くし、もちろん杏弥と歌ったこともある。
しかし、恋人同士になってから2人だけで行ったことがないのだ。
(真面目な顔してラブソングとか歌われたら、俺どんな顔して聞けば...?)
(デュエットとかやだよ。男2人で歌ってるやつならいいけど...)
日向の頭をずっと、この考えが廻っている。
日向としては、男子高校生らしい今流行りの曲やちょっと懐かしい人気曲を楽しみながら歌いたいのだ。
翌朝
まだ考えを廻らしながら支度をする日向の所へ、楽しみで堪らないという表情を浮かべた杏弥がやってきた。
「おはよう、日向」
「...おはよー」
(...絶対何か企んでる! )
「行こうか?」
カラオケの受付にて
「お時間は?」
「杏弥、どうする?」
「フリータイムで」
「そんなに歌いたかったのか?」
「その方がゆっくりできるじゃん。」
「...まあ、そうだね。」
このあと、日向はある意味思いっきり裏切られた。
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