企画

□この出会いは必然だった
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夏休みの補講の帰り道


「杏弥、午後暇か?」

「うん。空いてるよ。」

「じゃ、飯食ったら俺ん家来いよ。昨日、新しいゲーム買ったんだけどさ…やっぱ対戦相手欲しいじゃん?」

「分かった。準備ができたらすぐ行くよ」

「すぐだからな。すぐ来いよ。」


午後の予定が決まって、鼻歌でも歌い出しそうな日向の様子に思わず笑みがこぼれる。
ゲームなんかより、日向を見てる方が楽しい。
そんなこと言ったら怒られるだろうけど…

汗をかいた制服を着替えて、お昼を食べてすぐに日向の家に。
リビングに居るおばさんに一言かけて、日向の部屋に向かう。


(遅ぇよ!とか言われるのかな…)

数回ノックして部屋のドアを開けると、部屋はクーラーで冷え切っていた。
もうすでにゲームを始めているのかと思っていたけれど、肝心のゲーム機は準備途中のまんま。
日向は冷え切った部屋でTシャツが捲れたまま寝ていた。

(…やっぱ、寝顔かわいい!じゃなくて風邪ひいちゃう)


「ひなたー、起きろ」

「…。」

「おーい、ゲームやんないの?」
少しもぞもぞ動いたが、また熟睡し始めてしまったみたいだ。


杏弥はそっと布団をかけて、日向の頭を撫でながら、昔のことを思い出していた。




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