単発小説

□屋上での告白【後編】
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次の日の昼休み、いつも道理に屋上で一緒に昼飯を食べながら、歌は和希に"告白するとき屋上を使うなら覗き見たりはしない"と伝えた。


「…歌?」


和希が心配そうにこちらを見た。突然言ったからだろう。


「…だから、…佐倉は好きな人がいるんだろ?」


恥ずかしくて和希と呼べなかった。


「もし、ここで告白したくて、でももし、俺がここにいるかもって思ったら…やりにくいだろ。」


想像してしまって、また悲しくなって、でも悟られたくなくて無理に明るい声を出して言う。


「和希がなんて告白するか気になるけど…でもやっぱ、和希に悪いじゃん。
だから絶対覗かねーよ!!」


「歌は気にしなくていい。
どうせ告白なんてできないから。」


和希はぽつりと言った。
言われた言葉を反芻し、意味を理解する。

「どうして?」


どうして?
だって和希はかっこいいし、運動もできるし頭だっていい。
和希に憧れたり、好きだと思う人はたくさんいる。

和希は答えずに少し笑うだけだった。

でもそんな和希の言葉を聞いて、一度心のうちに押さえ込んだ気持ちが溢れてきた。

いろんな感情がぐちゃぐちゃと音をたてて湧き出てくる。
そんな感情が歌の口から溢れて言うつもりのなかった事を話してしまった。



「和希が好きだ。」
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