とある狐の物語
□07-束の間の静穏
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夜に隠れてしまった幼い太陽を
月と星は静かに出迎え
一時の安寧を与えた
例え 青空に届かぬとも
野花に触れられなくとも
限られた自由だったとしても
其処には 仮初の安らぎが在った
夜に隠された幼い太陽は
月と星の優しさに包まれながら
一時の夢を見る
夜にだけ輝く幼い太陽は
昼に背を向けたまま 朝を待つ
ただ静かに 夜の終わりを待つ
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