ぬらりひょんの孫

□リクカナ 3
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〜happy birthday〜



「カナちゃん!」
にっこり笑って自分の彼女の名前を呼ぶ。
振り向いた可愛い顔をみて「おはよう」と言葉を続ける。
そうすればカナは…

「おはよ、リクオくん!」

と笑顔を向けてくれる。

…勝手なリクオの思いだがカナの笑顔は天使だと思う
この笑顔で何度自分が救われたことか…
何度元気にしてもらったか…
だから今日はカナが産まれてきてくれたことに感謝して一番に祝ってあげようと思う。

「カナちゃん、今日の放課後に僕の屋敷に来て欲しいんだけど…」

カナは笑顔で返事をする

リクオがなぜ屋敷に呼んだかは分かっている
優しいリクオくんのことだ、今日が何の日か分かってるだろう
つい口元が緩むのを我慢して放課後を待った





放課後

カナは早足でリクオの屋敷へと向かう
わくわくと高鳴ってる自分の胸を落ち着かせながらリクオの屋敷へ入っていった

「・・・・・・・・・・。」

カナの顔が無表情になる。そしてある一点を見ている。

そこには…
遠くてよく分からないがつららを押し倒してるようでリクオが覆いかぶさっている。
カナにはそうにしか見えなかった。

カナがいることに気づいたリクオとつららは慌てて離れる

リクオが遠くから何か言っているが
何も言わずにその場から走って逃げた。
行き先もなくただただ走った

誕生日に…浮気されるなんて思わなかった。







「狽ヌどどどどどーしようっ!!!?」

屋敷ではリクオが人生最大の焦り具合を下僕たちに見せていた

「リクオ様、あれは事故でございます!カナ様にきちんと説明されれば・・・」
首無が必死にリクオを説得している

「も、申し訳ありませんでした!私が今から家長さんの誤解を解いてきます!!」

「いや、つららは悪くな…」
リクオが言い終わる前につららはぴゅーっと走ってカナを探しに行ってしまった


カナが覆いかぶさっているように見えたのは
単なる事故であった。
カナの誕生日を祝うことが楽しみで浮かれていたリクオが
段差につまずき、たまたま通りかかったつららにぶつかってあのような体制になっただけだった。
しかし傍からみたら確かに押し倒してるようにも見える。

焦ってたリクオがふと月に目がいく
もぅ夜になっていた
夜といえば…
案の定、リクオは妖怪の姿に変化していった。

「・・・・・・・。」
夜のリクオになり、一見は落ち着いてるように見えて下僕たちは安心した表情を浮かべる

実際は…無表情で放心していたのだが(笑)

しばらく経ってからリクオはぬらりくらりと誰にも見つからないように
そっと屋敷を出た






「…カナ」

低くも美声のきいた声がカナを呼ぶ。
あれだけつららが探し回ってるのに見つからなかったカナがいとも簡単に見つかった。
それは幼馴染のリクオだから知っていた、カナが辛くなった時に来る、秘密の場所だった

「…っ」
泣いているからかリクオの声はカナには聞こえなかった。
そっと近づき、後ろからカナを抱きしめるリクオ
それに驚きビクッとするカナ。

「嫌っ・・・!」
泣きながら振りほどこうとするカナだが力では全く敵わない。

「離しt…「悪かった」

カナの言葉が遮られてリクオの声が響いた

「…カナが好きだ、お前以外は見ていない」

カナが泣いていた目でリクオの顔を見る
真剣にカナを見つめるリクオに誤解だったのだとカナは気付く。
たとえ、理由を聞かなくてもリクオの目がどれだけ自分を思っているのかがわかった気がした。
だから何も聞かずに黙ってリクオに抱きついた
「・・・これ、やるよ」
リクオがカナの手に髪飾りを置いた
カナは髪飾りを手に持ち、リクオを見上げる

「誕生日おめでとう、カナ。産まれてきてくれてありがとうな」
普段の夜リクオなら絶対に素直に言わないだろう
しかし今日だけは特別で…
カナに優しそうな表情で微笑みかけていた

「…ありがとう、リクオくん//」
嬉しそうに頬を染めた。リクオが髪飾りを優しくカナの髪につける


この時間はふたりだけの時間。
しっかりと密着してる二人にはリクオの畏れのオーラはなくて…
ただただ幸せそうなオーラが流れてきているようでだった

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