涙と花片。

□空に堕ちる。
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恋をした・・・



途方も無い夢に 身を委ね

重ねた掌に

遥かな誓いを立てた。










恋をした・・・



僕は確かに 生きていた。















‡空に堕ちる。‡















与えられた名前を

踏みにじり

極彩色の微睡(まどろ)みに

身を投げる。





そうでもしないと、壊れてしまうから・・・










否定したい訳じゃなぃ・・・


ただ何となく・・・





上手く呼吸が出来ないんだ。










見せ掛けの幸福を手繰るより

背中の傷を晒した方がラクで・・・



生きているフリが出来る。










其れが全てじゃない・・・


解ってるんだ。





ただ・・・

此処から見える世界が

窮屈過ぎて

帰り道を忘れただけなんだ・・・。










君はまた、笑うんだろぅか・・・?









「馬を見たよ?

西の空へ堕ちて逝く馬を・・・」





「・・・違うよ?

在れは唯の箒(ほうき)星・・・」









「涙をみたよ?

苦しみ足掻く可哀相な涙を・・・」





「・・・違うよ?

在れは唯の狐雨だよ・・・」















「・・・貴方を、見てるよ?・・・」









どうして僕は

同じ過ちを繰り返すんだろう・・・



僕は、恋をした。










どうして僕は

孤独を受け入れてしまうんだろう・・・



僕は、生まれて来た。






砂を掻き分け

太陽を仰いで・・・

流れる雲を 追い掛けながら

空に堕ちる。





end。

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