涙と花片。

□MOTHER。
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全てに従順な僕らに出口は無い。

与えられた名前すら知らず、途方にくれる僕らは「子供」

水に写る姿すら認められない僕らは「大人」





吐き気がする。










‡MOTHER。‡










人の上に、人を創らず。
人の下に、人を創らず。

人、それは平等。

価値の無い「人」は居ない・・・





ならば何故"憎しみ"が生まれる?



何故"支配"が横領する?



"特別"と決めたのは誰?



"優劣"と定めるのは正しい?





下らない正義ほど無駄は無い。
僕らは吹き溜まりの五味に過ぎない。










人は、生まれ落ちた瞬間に"寿命"を喩るらしぃ。

呼吸を覚え、肺に取り込まれた空気が喉を震わし声になる。
初めて覚えた唄で、命の長さを知るらしぃ。



人の寿命は定められてる・・・
こんな馬鹿げた話、誰が信じる?



当然の様な顔をして"悟り"を説法され、刷り込みの雛の様に鵜呑みにする姿は滑稽。

"在りもしない真実"に縋り付くその姿が滑稽な事に気付く人は居ないのだろぅか・・・





馬鹿馬鹿しい・・・

白々しい毎日に何を求めるんだろぅ?
秩序や重慶に何の意味がある?





馬鹿馬鹿しい・・・





馬鹿馬鹿しい・・・





生まれながらに"平等"なんてある訳無い。
廃棄物である僕らに"加護"も無い。



手に残る物は結局、
「生死の為の決断」と「敬いと言う圧制」。















"祈りなさい・・・"




何を?




"時は、貴方を拒まない・・・"




ならば、証拠を見せろ。




"信じなさい・・・"




誰も僕を救えない。




"未来を・・・"




・・・へどがでる。




"お前を愛しているよ?"










男は十字を背負い、空を仰いだ。





「"主よ、私の声が聞こえますか?!"」





伸ばした腕に降り注ぐ、細く長い光。


けれど弱い光は途切れ、糸を辿るように追い縋った男は跪づいた。





「愚かな私を、責めていらっしゃいますか?」





空に刻雲が立ち込める。





「母を殺し、父を殺した私を・・・恥じていらっしゃいますか?」





轟きを巻く雨が、男を追い立てる。










「"貴方がそれを望んだんじゃなぃか?!



今更見捨てるのか?!"」










雷轟が鳴る。










「"お前の役目だと言ったじゃなぃか?!!"」




fin・・・
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