涙と花片。
□色の無い煙。
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・・・歩くのを止めた。
その先に腕を伸ばし、得ようとした・・・
<何を?>
‡色の無い煙。‡
立っているこの場所さえ不確かなのに、君の顔なんて思い出せる訳がない。
僕に何を求めているの?
「・・・死んでしまう・・・」
<・・・何が?>
「・・・僕が。」
<・・・どぅして?>
<・・・どぅして?>
「・・・箱から出られないから。」
<・・・壊して、出ればいぃじゃなぃか?>
「・・・ダメだよ。」
「そんな事したら・・・」
また、何かを探すフリをしなきゃならないじゃないか?
"・・・例えばそこで、「大丈夫だよ?」って言っても・・・
貴方には届かないのでしょうね?"
「・・・さぁ?・・・」
君は僕じゃない。
"・・・例えば私が、無理に引き摺り出しても・・・
また、其処に戻ってしまうんでしょうね?"
「・・・多分ね・・・」
君は僕じゃないから、解らない。
"・・・貴方は・・・
孤独にしか、成れないのね。"
繰り返した痛みの中で
何度も飲み込んだ醜い感情に
地面を破壊する音が共鳴した。
「・・・捨てる位なら初めから、手を出さなければいいのに・・・」
<・・・人は、独りでは生きられないよ・・・>
「・・・生まれて死ぬまで、"一人"で在る事に変わりは無い。」
<・・・それでも、求めずにはいられない。
本当の孤独を知る人ならば。>
「"孤独"か"幸せ"かなんて・・・終わってみないと解らないよ・・・」
<・・・そうだね?
大切な何かが解らない君には、泣く資格が無いからね?>
泣いて済むなら、幾らだって泣いていた。
叫んで変わるなら、幾らだって叫んでた。
けれど僕は特別じゃないから
僕は僕を、辞めるしかなかったんだ。
end。