空の部屋
□風邪引きさん
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次に目をあけると、目の前が青かった…。
それがなにか理解するまで、熱のある頭ではちょっと時間がかかった…。
「あぁー?」
目の焦点が合わない。目を細めて見て、やっとそれが人であると認識できたー。
「兄ちゃん?」
「お兄ちゃん?」
「真兄ちゃん?」
心配そうな声が降ってきて空たちだったのかとわかった…。
「大丈夫か?風邪…」
空が額にあったぬれタオルを代えてくれた…。
「空、直、祭」
学校帰りなのかランドセルを背負った三人が俺のベットの脇に心配そうな顔が並ぶ。
「心配ない。兄ちゃんこんなのすぐ直るからさ」
不安がってる子どもたちに大丈夫だぞって気持ちを込めて頭をポンポンと撫でてやる。
直も祭も嬉しそうにしていたが、空一人だけが不満そうにしていた。
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