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□依存
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「瑞垣さん?俺。今から向かうから」


瑞垣さんの返事を聞いて通話終了。
用件だけの電話。


ポケットに携帯を突っ込んで走り出す。

昔からの日課であるランニングは最近ではほとんど瑞垣さん家が目的地になっている。

ランニングと瑞垣さんに会うの、どっちがメインなのか分からなくなる。



 依存



あの人は俺の前では絶対にタバコを吸わない。
気にしてくれているのが分かる。
多分、俺が来る前に換気をしてるんだろう。
残り香すらも感じない。

 
そんな事でも、嬉しいと思う…。
自惚れでなければ、瑞垣さんの中で俺の位置は結構な上位。

大切にされてるのが分かる。



会いたい。



意識的に速度を上げて、あの人が待つ場所へ。






息を整えて、もう一度携帯を手に取る。


「着きました」



豪や東谷達とは違う。門脇さんとも違う。

瑞垣さんは俺のトクベツ。



俺はきっと、あの人に依存してる。



 
扉が開けばいつもの様に瑞垣さんが迎えてくれる。
密かに、この瞬間が好きだ。



「お疲れ、姫さん」



 
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