×27

□君の好きなとこ(ヒバツナ)
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足音が近付いてくるギリギリまで扉の前で待つ。


目の前まで来た所で、トンファーを掴んでドアを開けた。


「やぁ。ここが応接室だって知って走ってたの?校則を守れない奴は…」



視界に飛込んできた影に思いっ切り武器を振り上げる。


「ひぃぃっ!すいません!ゴメンナサイ〜っっ!」


「…なっ!?」


寸前の所でトンファーを止める。間一髪、前髪をかすめる程度で済んだ。

目の前には腰を抜かした弱そうな男が目を固く閉じたまま両腕で体をかばおうとしていた。


「君…帰ったんじゃなかったの?」


「へ…?あっ、オ、オ、オレ今日の宿題忘れちゃって…」


僕を怖がってなのか、声は震えてるし顔は青ざめてるし…。

連れの二人は先に帰ったのか…いや、そんな訳が無い。


「ふーん。あとの二人は一緒じゃないのかい?珍しいね。」


「オレのせいで待たせるのも悪いし、帰って貰ったんです。あのっ、だからオレ今一人なんで…っ」


慌てて今の状況を説明するこの草食動物が愛しくて。


それでも僕を見てくれない事が、もどかしくて。





気付いたら、手を引いて応接室に入っていた。
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