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□君の好きなとこ(ヒバツナ)
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応接室の窓、そこから見える校庭にはいつも目に入る人物がまた今日も群れている。
沢田綱吉。
どうやらあの草食動物は、その弱々しい姿に似合わずマフィアのボスらしい。
そして僕はソレの守護者。
「…転んだ。」
運動音痴、成績不良、遅刻魔、臆病、泣き虫。…本当は誰よりも優しくて、それ故に弱くて。
それを側で支えてるのは、僕じゃない。
今も倒れた体を起こしてやっている二人だ。
「今更改めて言うのも…ね。…群れるのは嫌いだ。」
視線を持っていた書類に落とす。
最近は何をやっても集中出来ない。僕らしくない。
それでも、どうしても気になってしまう。
「帰ったのかな…。」
校庭を見るともうあの三人の姿は無かった。
仕方なく書類の整理に戻る。
明日までに終わらせなくちゃいけない仕事はたくさんあるのに。
退屈な文章に目を通して判子を押す。そんな作業を始めて30分くらい経った頃、廊下の向こうから誰かの走る足音が聞こえてきた。
「丁度良い。ムカついてた所だから、たっぷり可愛がってあげよう。」