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□お誕生日おめでとうございます、ヒバリさん!(ヒバツナ)
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5月5日。こどもの日。
そんな日に生まれた綱吉の恋人は、これ以上に無いという程強い男に育っていた。

「はぁ・・・隙がありすぎる。少しは自分が弱いって自覚してよ。」

低い声で不機嫌に自分に説教をしている少年がまさにこどもの日生まれの恋人、雲雀恭弥。

何故、今綱吉がこんな状況に置かれているのか。

今から数十分前。









「あっ!あったあった!まだ残ってて良かったー。」

綱吉は雲雀の誕生日に、並盛から少し離れたデパートで見つけた高めの真鍮製のペンを贈ろうと以前から決めていた。
学校が大好きな雲雀は私服で居る事が少なく、それに伴ったアイテムは恐らく付けない。かといって、アクセサリーもきっと付けてくれないだろう。
そう考えた綱吉はどうせ贈るなら相手が喜んでもらえる物が良いと、何週間も前からさりげなく雲雀の事を観察していたのだ。
そしてなんともラッキーな事に、学校の書類を書いている時にいつも使っているであろうボールペンが壊れる。というシーンに偶然遭遇した。

「売り切れてたらどうしようかと思ったよ・・・。すいません、コレ下さい!」

店の店員に声を掛け、誕生日の日付と名前のイニシャルを彫ってもらう。
たかがペン一本にこの値段か・・と空になった財布を見つめて綱吉は溜息を吐いたが、喜ぶ雲雀の顔を思い浮かべるだけでそんな小さな後悔は消し飛んでしまった。


「ヒバリさん、喜んでくれるかな。・・・うわ!?」

綺麗にラッピングされた箱を持ってデパートを出、さっそく並盛へ帰ろうと上機嫌で歩いていると、突然何かにぶつかった。


「・・・っ!テメェ、このクソガキ!俺様にぶつかっといてタダで帰れると思うなよ!!」

どうやら怖い人に体をぶつけてしまったらしい。綱吉はあっという間に何人かの舎弟に囲まれて逃げ場を失ってしまった。
今、自分の側には獄寺も山本も、リボーンも居ない。

『やばい』

綱吉はどうにか謝り倒してこの場を切り抜けようと慌てて頭を下げる。


「す、すいません!あの、オレ・・」

「ん?なんだテメェ、高そうなモン持ってるじゃねぇか。」


オロオロとしている綱吉の手元に一人の舎弟が目を付けた。
それは、雲雀への誕生日プレゼント。

「これはっ!これだけは駄目です!!!」

雲雀への大切なプレゼント。

これだけは守ってみせる。と、綱吉は小さな包みをぎゅっと抱き込んだが、大の男複数に通常モードの綱吉が敵う訳がなく。
小さな包みはあっけなく奪われ、何人かの男はいやな笑い声をあげてその場を立ち去ってしまった。

「返して下さい!オレの大事な物なんです!!」

それでも諦めないとばかりにその場に残った男達に叫ぶと、男達の拳がバキバキと不穏な音を立てた。

「その生意気な口、暫くきけなくしてやろうか?オラァ!」

「ひぃいっ!」
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