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□手助けは必要ないよ!
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はっきり言うけど僕はクエストがあんまり好きじゃない。採取採掘ならまだしも、魔物退治とかは嫌いだ。というか面倒くさい。だって僕は体力ないしさー、しんどいもん。ソーマ使って戦うのってなかなか疲れるんだよねー。あー、バンエルティア号でお昼寝したい。ユーリやロックスの作った美味しいお菓子が食べたい……。

「ごらぁ、エスト!てめぇぼーっとしてんじゃねぇ!そっち行ったぞ!」
「あー、ほんとだ……めんどくさ……」
「お前なぁ……この状況でぼんやりするとかなかなか根性あるな」
「ありがと、スパーダ」
「いや、誉めてねぇし」
「てめぇら、戦えっ!」

ヒスイがソーマで魔物を攻撃しながら怒鳴る。うん、大変そうだ。今真面目に戦ってるのヒスイだけだし。僕とスパーダはちょっと距離おいて見物、レツは何故か採掘に夢中。だってさぁ……今日はスパーダとヒスイとレツと四人で魔物退治に来たんだけど、その魔物、でっかい亀なんだけど、そいつがかなり頑丈でなかなか倒れてくれない。そろそろ飽きて現実逃避したくなるよね?あー、でもいい加減に帰りたいし何とかするか。

「じゃあスパーダ、ちょっとあれの足止めを頼んだよ」
「はぁ?何する気だよ、エスト」
「ちょっと派手にやろっかなーと思って。さ、頑張って!」
「……しゃーねぇな」

わけがわからないといった表情を浮かべたスパーダだったけど、剣をかまえて亀に向かっていった。よし、じゃあやりますか。そう意気込んだ僕はソーマを構え、心(スピリア)を集中させた。するとソーマはきらりと光り、ヒスイのソーマへと繋がる。このソーマリンクを通じて僕の考えはヒスイに伝わり、彼は亀から距離をとって僕と同じように集中し始めた。そして二人の思いが定まった瞬間、僕らは力を解放した。

「溢れろ、荒れ狂う海念!」
「暴れろ、渦巻く嵐念!」
「「全てを飲み込め、ウォータースパウト!!」」

ソーマリンクを通じて出したのは合技。ヒスイの思念術スプラッシュと僕の思念術サイクロンの合技は巨大な水の竜巻を発生させて亀に襲いかかる。亀のくせに水に弱いそいつは叫び声をあげて、やっと倒れた。はー、これでやっと帰れるや。てかさっきまで近くで採掘に夢中になってたレツがいないんだけど。……どこ行ったんだろ?


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