創造への軌跡book

□大きく息を吸って、
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-06:30-

「おいこら不良ー、朝ご飯食べるよー」

「あァ?……もっぺん寝かせろ…」

「……今すぐ来ないと、チェスターと同じメニューになるよ。なーんかみんな、アーチェのより先に私らの食べちゃうからさー」

「行く行く、行きます」





-07:30-

「スケベー、アップル10個だってー」

「はァ!?まだこんな時間、」

「朝クエストが日課なんですー。黙ってついて来い」

『朝のコンフェイト大森林は綺麗だよー?』





-10:00-

「いつもすみません、レツさん。……おや?今日はスパーダさんも一緒なんですね?」

「まーね。……今日もよろしくーバンエルティア号。ん、クィッキーの毛発見」

「ううう…あのフサフサ……ッ!!あ、スパーダさん!!もっと丁寧にお願いしますよ!!」

「あーごめんねチャット。坊ちゃまお育ちがよろしいから、掃除に慣れてなくて…」

「…だーッうっせェな!!丁寧にやりゃいいンだろ!?」





-10:30-

「今日の当番はリカルドさんでしたか。何か手伝いましょうか?」

「……?厨房は当番の者とベネット、プリングスが担当すると聞いていたが?」

「この人数分だと厳しいですから。皮むきとかの雑務を引き受けるんです」

「なるほどな。…すまないが、頼んでもいいか」

「もちろんです。…ほい、坊ちゃまの分のジャガイモ」

「マジかよ…」





-13:00-

「そんじゃ、魔物討伐に行きますか。カノンノ、準備はオッケー?」

「うん、大丈夫だよ」

「よし。坊ちゃま、G、カノンノは何としても守り抜くんだよ?」

「当たり前だろうが」

『もちろん』

「ちょ、ちょっとレツ…!!」





-15:00-

「レツさま、スパーダさま。今日のおやつはプリンですよ」

「ありがとうロックス。…うん、美味しい」

「…おい、ユーリの奴見ろよ。アイツあれで何個目だ?」

「大丈夫、リッドも似たような物だから。ほら不良、さっさと食べちゃってよ」

「……おう」





-15:30-

「“同窓会名簿がブラウニー坑道にある”って……どんな事態なんだろ」

「…気にしたら負けじゃね?」

「まったく…なんでボクがレツとクエストに……」

「キール、最近研究ばかりでクエスト出てないからなー。アンジュに怒られる前に出た方がいいよ!!」

『あ、キール。せっかくだから新しい術教えてくれない?』

「あ、あぁ。任せてくれ」

「…なーんか、私とGじゃ態度違うんだよなー、キールって」





-17:00-

「ジュディスさん、はい。ジュディスさん達の洗濯物です」

「あら。どうもありがとう、レツ。…今日は帽子の彼も一緒なのね?」

「おらよユーリ、野郎モンだ」

「悪ぃな。大変そうだな坊ちゃま、俺も手伝ってやろうか?」

「いらねェよ!!…ケッ、どいつもこいつも坊ちゃま坊ちゃまって…」

「まぁまぁ坊ちゃま、次行こうよ」

「テメェいい加減にしろってンだ!!」













-18:00-

「いただきます。……どしたの坊ちゃま、何か疲れてない?」



ナナリーの作ってくれたご飯を前に、どんよりと負のオーラをまとう不良貴族。スプーンを握る手にはあまり力がなく、いまにも倒れてしまいそうだった。



「お前……いつもこんな生活してンのか…?」

「ん?まぁそうだね。たまに夕飯の手伝いもするけど」



私の言葉に、げっそりとため息をつく。そして呆れたような声音で「こりゃアンジュの選択は正しいぜ、」と独り言を言う。独り言を言うとハゲるよと心の中で忠告しながらも、シチューをすくい口に運ぶと。

どこか兄貴モード(ルカやイリアといる時に見せる、頼れる兄貴状態のこと。2人の恋を応援してくれるから、私の好感度はとても高かったりする)の入ったスパーダが、私を見てニヤリと笑った。



「今日はお前に付き合ったからよ、明日は俺に付き合え。いいよなァ、ルームメイトさんよォ?」



とりあえず断る理由もなかったから、黙って頷いておいた。それに満足そうに笑ったスパーダは、忘れられてた食事を始めるのだけれど。


(うーん……?)


朝食や昼食でも感じた事だけど、その腕はなんだかぎこちなく感じた。



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