創造への軌跡book
□まだ見たことのない場所
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「クレアからの依頼で、ヴェイグ君と一緒にヘーゼル村へ物資を届けて貰いたいの。お願いできるかな?」
「了解です!」
ヘーゼル村は、前に聞いたように大変な状況らしくて。これから風邪が流行る時期だから、薬品や食料を多めに届けるのだという。
クレアやヴェイグ、アニーは申し訳なさそうにしているけれど、困った時はお互い様だから。クレアと目があったから、にっこりと笑って見せた。
「行き先はコンフェイト大森林。ヴェイグ君にシング君、ミントが同行してくれるからね」
シングやミントも同じようにお願いされたらしく、準備を整えていた。残りは私だけっぽくて、急いで準備をする。
「あ。レツ、落としたよ」
見ると、私のグミ袋を持ってクレスが立っていた。相変わらず爽やかに、いかにも爽やかに、びっくりするくらい爽やかに立っていた。……だって、他に表現できないくらい爽やかだし、いいよね。
「ありがとうクレス。ミントはしっかり守り抜いてくるからね!」
「ああ、任せたよ」
「な、何を言ってるんですか!」
爽やかーな笑顔に見送られ、バンエルティア号を降りる。シングとバカみたいな話をして、ヴェイグにちょっかいを出して、ミントにたしなめられて。ほのぼのと、楽しくクエストを受けていた。
まだ見たことのない場所
(すぐに、過去形へと変わったんだけど)