創造への軌跡book

□まだ見たことのない場所
2ページ/3ページ





「クレアからの依頼で、ヴェイグ君と一緒にヘーゼル村へ物資を届けて貰いたいの。お願いできるかな?」

「了解です!」





ヘーゼル村は、前に聞いたように大変な状況らしくて。これから風邪が流行る時期だから、薬品や食料を多めに届けるのだという。

クレアやヴェイグ、アニーは申し訳なさそうにしているけれど、困った時はお互い様だから。クレアと目があったから、にっこりと笑って見せた。





「行き先はコンフェイト大森林。ヴェイグ君にシング君、ミントが同行してくれるからね」





シングやミントも同じようにお願いされたらしく、準備を整えていた。残りは私だけっぽくて、急いで準備をする。





「あ。レツ、落としたよ」





見ると、私のグミ袋を持ってクレスが立っていた。相変わらず爽やかに、いかにも爽やかに、びっくりするくらい爽やかに立っていた。……だって、他に表現できないくらい爽やかだし、いいよね。





「ありがとうクレス。ミントはしっかり守り抜いてくるからね!」

「ああ、任せたよ」

「な、何を言ってるんですか!」





爽やかーな笑顔に見送られ、バンエルティア号を降りる。シングとバカみたいな話をして、ヴェイグにちょっかいを出して、ミントにたしなめられて。ほのぼのと、楽しくクエストを受けていた。














まだ見たことのない場所




(すぐに、過去形へと変わったんだけど)
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ