*短編集*

□永遠に…/佐久間次郎(14)
1ページ/3ページ


貴方side




私は、1年前にここにトリップしてきた。


そして、恋に落ちた。


その名は、佐久間次郎…。


心では、わかってた。


いつかは、元の世界に戻るんだって…


でも願ってた。


永遠に、この世界に…


永遠に、君と一緒に…って。


その願いは、叶わぬことなのか。


「次郎、私は帰らない。」


「はぁ!?何言ってんだ、下の家族のもとに戻れるんだぞ!」


「それより、次郎といる。」


『パチンッ』


「痛っ。」


「…お前がいなくなったら、元の世界にも困るやつはいっぱいいるんだ。甘えてんじゃねーよ。」


「なによ、次郎は私と居たくないの?」


「そんな訳無いだろ、俺は、俺は永遠に名前と居てぇよ。」


「なら、イイじゃあない。」


「でも、考えてみろ。お前を産んでくれた家族、支えてくれる友達…みんなを見捨てるのか?元々、この世界にお前はいないんだ。」


「…好きでここに生まれてこなかったわけじゃあないわよ。」


「わかってる、でも帰ったら二度と会えないんだよ?」


「そんなの、分かんねえだろ!」


「わかるよ、ここに来れたのだって奇跡だったんだから!」


「だったら、奇跡を信じろよ。」


奇跡、そんなの信じられないよ。


だって、怖いよ…二度と会えないだなんて。


次郎は、怖くないの?


ずっと一緒にいたいんだよ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ