*短編集*
□永遠に…/佐久間次郎(14)
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貴方side
私は、1年前にここにトリップしてきた。
そして、恋に落ちた。
その名は、佐久間次郎…。
心では、わかってた。
いつかは、元の世界に戻るんだって…
でも願ってた。
永遠に、この世界に…
永遠に、君と一緒に…って。
その願いは、叶わぬことなのか。
「次郎、私は帰らない。」
「はぁ!?何言ってんだ、下の家族のもとに戻れるんだぞ!」
「それより、次郎といる。」
『パチンッ』
「痛っ。」
「…お前がいなくなったら、元の世界にも困るやつはいっぱいいるんだ。甘えてんじゃねーよ。」
「なによ、次郎は私と居たくないの?」
「そんな訳無いだろ、俺は、俺は永遠に名前と居てぇよ。」
「なら、イイじゃあない。」
「でも、考えてみろ。お前を産んでくれた家族、支えてくれる友達…みんなを見捨てるのか?元々、この世界にお前はいないんだ。」
「…好きでここに生まれてこなかったわけじゃあないわよ。」
「わかってる、でも帰ったら二度と会えないんだよ?」
「そんなの、分かんねえだろ!」
「わかるよ、ここに来れたのだって奇跡だったんだから!」
「だったら、奇跡を信じろよ。」
奇跡、そんなの信じられないよ。
だって、怖いよ…二度と会えないだなんて。
次郎は、怖くないの?
ずっと一緒にいたいんだよ。