西の店
□真愛直球
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「なぁ、萌子。飯まだぁー?」
『もう少し待ってねー。もうちょっとだから』
さりげなーく萌子に抱き着いてみたけど、反応なし。たぶん萌子は俺を男として意識してないと思う。
-食事中-
「萌子の飯ってすげぇ美味いよな!!俺、萌子のことすげぇ好き!!」
『ありがとう。ウチも悟空が好きだよ』
なんか、コレもスルーされた感じがする。
-食後-
「萌子ー。好きー」
『ウチも悟空が好きー』
…好きって言ってくれるのは嬉しいけど、俺の言ってる<好き>とは違うと思う。
-就寝前-
俺はベッドの上で考えてた。
「抱き着いても駄目、すげぇ好きって言っても駄目、好きって言っても駄目。どうすれば伝わるんだろ?」
考えこんだけど、何を言えばいいのかさっぱりわかんねぇ。
『悟空ー?早く寝なよー?』
いつのまにか、萌子は扉の向こうにいた。
このままじゃ萌子が帰っちまう!
「なぁ、萌子。部屋ん中に入ってこいよ!!」
そう言ったら、すぐさま萌子が入ってきた。
『何?悟空』
萌子は風呂上がりなのか、肩にタオルをかけていた。まるで三蔵の魔天経文みたいに。
もう考えるのは止めた。考えてたってらちがあかねぇもん!!
「なぁ、萌子。言いたいことがあんだけど…」
俺は決心した。
「俺、萌子のこと愛してる!!」
end.