ygo小説
□七夕の贈り物
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「モクバ君まだ書けてない?」
オレの目の前にある短冊は配られたときのまま
願い事なんて急に言われてもよくわかんねぇし…
それを見た先生はまたフフッて笑った
「なんでもいいのよ、何か欲しいものとか、やりたいこととか」
欲しいものにやりたいことか…
どっちも特にないな…
オレが考えてると先生もう〜ん、てうなりながらまだ考えてた
「なりたいものとか、会いたい人とか」
会いたい人、か…
今日は兄サマは今日は出張で帰りが遅いから、今日は兄サマに会えそうにない
…兄サマのこと、書こうかな
オレは鉛筆を持つと短冊にさらさらと願い事を書いた
それをつるしに行こうとすると先生はやっと考えるのをやめる
「あ、モクバ君かけた?何々、何かいたの??」
「ちょ、見るなよ!!」
悪ノリで先生が覗いてこようとしたからオレは短冊を隠した
こんなの見られたらかっこ悪いような気がしたから
笹のところまで行くとなるべく高いところにつけるために頑張って背伸びして腕を伸ばす
夏の太陽がオレやみんなの書いた短冊を透かしてくる
その中、オレの短冊は夏の風に軽々と揺らされた
そこに書いたオレの願い事
「兄サマが早く帰ってきますように」