ygo小説
□七夕の贈り物
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その日が終わるのはあっという間に感じた
外はまだ太陽がじりじりと照ってる
みんなおしゃべりしたり競争したりしながら学校を出てった
オレも学校を出るといつもみたいに磯野が車をつけて待ってた
「おかえりなさいませ、モクバさま」
そういっていつもみたいに後部座席のドアを開ける
車に乗ってランドセルと紙袋を下すと身軽になった
紙袋には今日みんながくれたものが入ってた
手紙だったり、折り紙だったり
それを見てると切ないような、むず痒いような気持になる
だから磯野が「モクバ様、そちらは?」なんて聞いてきたとき、「なんでもいいだろ」
って乱暴に言っちまった
そしたら磯野が「も、申し訳ありません!!」って焦って運転席に乗り込む
なんか悪いことしちまったぜぃ…
運転席に乗った磯野はどこかに電話をかけ始めた
でも様子がなんだか変だ
いつもならオレにも聞こえるようにはっきりしゃべるのに今日はひそひそ話をしてるみたいだった
口元に手を当てて姿勢も低くしてる
なんなんだ…?
会社のことだったらあんなふうにする必要はないし、でも磯野が一応仕事中なのに自分のことで電話するような奴じゃないし
しばらくすると磯野は電話を切って一つ咳払いをして失礼しました、って断ると車を出発させた
オレはまだもやもやしてたけど