本 1
□上編
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教室へ行くと鬼の形相をした強面の青年が襲いかかってきた。
まぁ、笹原なんだけどさ。
突進してくるのはやめてほしい。
痛いし。腹とか特に。
これも利用させて頂きますか。
「い、痛いよ…笹原くん…」
ハの字眉にして笹原を見つめる。
そのあと、自分を支えてくれた二宮にお礼を言おうと顔を上げた。
「あ、あやせ…」
顔真っ赤にすんなし。
顔上げただけじゃねぇか。
つか男の顔見て頬染めるとか有り得ねぇ…あ、鏡音先輩とか除外で。
いや、だってさ、ツンデレ(デレが限り無くない)な西山さんや居るだけでマイナスイオン振り撒いてる閏さんならまだしも、平凡だぜ?
もうすぐ170いく平凡な男にときめかないだろ?
まぁ、それだけ長谷川から引き離せた証拠かな。
二宮は昼までには堕とせそうだな。
放課後は教師でも堕としにいくか。
いや、同時進行で…
三時間目はあの教師、藤田の授業だからな。
それまでじっくり考えるとしよう。
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