本 2

□計画停電
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むしろ怖いよ、暗闇で音だけするのって…

ガタッ…、ガチャ…、ガタッ、

…なんなの…?

俺は立ち上がり、手探りで部屋の扉へと向かった。
相変わらず胸は苦しいまま。


――カチャ…

ゆっくりと扉を開け、居間の様子を伺う。
暗闇でなにも見えないが、何かが動いている気配がする。
何かって不良さんだよね。






「あのー…」

「っ!?」

声をかけると驚いたらしく、動きを止め、こちらを見た気がした。
「なに、してるんですか?」
「………くれぇから、懐中電灯探してんだよ…」

ああ、なるほど。
でも…

「懐中電灯、ないですよ?」
「はぁ…?」
「最初から付いてなかったですし…買ってもいないので…」

普通付いてるもんね。


「マジかよ…」
「…君も、暗闇苦手なんですか?」
「別に?ただこうも暗いとなんにも出来ねぇからよ」
「そうですか…」

お仲間かと思ったのに…

「それじゃあ、俺部屋に戻ります。」
「ああ、俺も寝るわ」


部屋に戻り、再び1人の時間…

あれ、変だな…また苦しい…さっきまで苦しくなかったのに…








あ、そっか、不良さんとお話してたからだ。
人がいると、楽になれるのかな
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