本 1
□上編
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うっすらと目を開いた先、目の前には鏡音先輩の顔があった。
思わず頬が緩み、へらりと笑ってしまった。
「…っ笑ってんなよ、馬鹿。」
さーせん。でもこんなに近くに憧れの鏡音先輩の顔があったらニヤケるでしょ。
良く観察すると鏡音先輩は今にも泣きそうな程歪んでいた。
「かがみ、ね、せえぱい?」
あれ?やっべぇ超頬痛いんだけど。
試しに口角を上げてみた
「〜〜〜〜〜!?」
痛い痛い!超痛い!ふぁまーれどころじゃない!アイだahi!イタリア語で痛い!
ファマーレもたしか痛いって意味だったはず!苦痛による痛いはahiらしいけどな!
「宝永!?なにやってんの!馬鹿なの阿呆なの死ぬの?」
雪那めっちゃ毒舌泣くよ。
「な、泣くほど痛かったのか?大丈夫か?」
鏡音先輩が優しくしてくれてる…感動しちゃうよ…涙出てきた。
体の節々が痛かったが起き上がり雪那が持ってきたお粥を食べた。
料理が壊滅的な雪那だが、
「おお、ふつうだ。」
「俺が作ったんだ。当然だろ?」
思わず目を瞬かせた。
え、まじ?俺憧れの鏡音先輩の料理食ってんの?残さず食べよ。
ガツガツと勢い良く食べ始めた俺を白い目で見詰めていたのは雪那だってことは分かってるんだぜ
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