本 1
□上編
14ページ/28ページ
会長の腕が振り上げられ、歯を食い縛った時…
「なにやってんだよ!」
声が聞こえた。
その声に聞き覚えがあった俺等二人は保健室入口を見た
そこにいたのは、俺の復讐相手の
「…陽太…っ!違っ、オレは」
長谷川陽太だった。
慌てて否定しようとした会長に長谷川は一言
「良樹…どけよ。」
長谷川の声は今まで聞いたことない位低くて、言葉には有無を言わさず従わせる程の威圧感があった。
一体、何が長谷川の気に障ったのだろうか…
なんて、小説風に説明してる間に会長は俺から離れて保健室から出ていった。
途中、「なんで…こんな平凡なんかを…」って呟いてたけどさ。
長谷川には聞こえなかったようだ。
パタン、と保健室の扉が閉まる音がして、この空間には長谷川と俺の二人きりになった。
って…ヤバくね?この状態…
「宝永…大丈夫か…?」
長谷川が目の前に居て、手を差し伸べていた。
長谷川が近付いて来ていることに気付かなかった俺マジドンマイ☆
→