銀魂のお部屋

□鈍感の直感ってどうなの?
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“リリリリリリ”

規則正しい寝息が、けたたましいアラームによって掻き消される。
時刻は正午ちょうど。
総悟は、融通の利かない機械音に軽く舌打ちをした。
しかし、いくら非番とはいえ、鬼の副長と呼ばれるヤツに見つかれば、

「いつまで寝てんだァア」

と怒鳴られるだろう。
それも面白いかもなァ…なんて思ったりするが。
ぼんやりとした頭で、頭の横に置いてある目覚まし時計に手を伸ばす。
しかし、総悟が騒音を消す前に“カチリ”とそのスイッチが押される。
未だアイマスクをしているから、何が起きたのか総悟は理解できない。

「………?」

結局訳が分からなくなって、微睡みと共にアイマスクを取る。
すると、

「随分と遅いお目覚めだなァ?」

「ッゎ…、びっくりしやした」

随分と近距離で大好きな……いや、低い男の声がした。
端正なヤツの顔が、いきなり眼前に現れて驚いてしまう。
しかし鬼の副長こと、土方コノヤローはさも不敵に笑いやがる。
絶対に言えないが、正直死ぬかと思った。
ちょっと格好よかったりした。

「…オイ、総悟?まァだ寝ぼけてやがんのか」

俺に覆い被さった状態で、よくもまぁぬけぬけと……。
ぶん殴ってやろうかと思ったが、とりあえず布団から出ることを最優先にする。
考えるよりも早く、この唇は言葉を紡いでいたが。

「へぃへぃ、起きてやすよー」

奴の神経を逆撫でするように、ふてぶてしい声音で呟く。
……これは、別に計算とかじゃない。
ただ、

「総悟、構ってほしいのか?」

そう、構ってほしいだけ……

「って、はァ!?勘違いも大概にしなせェよッ」

つい、声を荒げてしまった。
だって、この馬鹿が勝手に俺の心を読んだりするから……っ
「わ、わりぃ……」とか何とか言って土方さんは俯く。
ぅ……別にアンタが悪いわけじゃ、ありやせんけど。

「い、いや……こっちこそすいやせん」

俺は未だ寝転んだままだったが、なるべく土方さんに伝わるように頭を垂れる。
そうすれば大きくて少し冷たい手が、俺の髪を撫でた。
上目遣いで奴をみやれば、気にすんなとばかりに柔和な微笑み。

「…気持ち悪ィ」

「んだとコラ!」

本当は、気持ちいいぐらいに格好よかったけど。
あまのじゃくな己が、素直になれるのはいつになるのだろうか。
ちょっとだけサービスして、頑張って微笑み返してやったら。
相変わらずからかいやすい、顔を真っ赤にした奴がいた。











オマケ

「…で、何で心ん中読めたんですかィ?」

「あ、やっぱ構ってほしかったのか」

「そういうんじゃなくてッ……で、どうしてですかィ?」

「別に?何か、寂しそうな顔してんなァ…って」

「べっ、別にそういうんじゃねェでさ…!」

「あーはいはい、分かった分かった」

「ニヤけてんじゃねェクソ土方コノヤローっ…!」




短いwww
お粗末様でした。

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