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□かぎ屋さんのあーちゃん
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ある町外れに小さなお店がありました
その小さなお店の名前は「かぎ屋」さん。お店をやっていたのは、あーちゃんという女の子でした
あーちゃんのお仕事はかぎを使って、みんなの心を開くことです
あーちゃんにはふしぎな力があり、人だけでなく動物やいろいろなものの心を開くかぎを持っているのです
今日もお店にはお客さんがやって来ます

「やぁ、こんにちは」
「牛飼いのおじいさん!今日はどうしたの?」
「実は、新しく来た牛が元気ないのさ」
おじいさんは困り果てています
さっそく、あーちゃんはその牛さんのもとへ行きました
「すごい悲しそうな顔・・・よし、わたしにまかせて!」
目をつぶり、心の中で牛さんの顔を思い浮かべました
すると、どうでしょう?ふしぎなことにあーちゃんの手にはかぎが握られていました
「あなたの心を開いてあげるわ」
心がガチャリとあきました
「意地をはってただけなんだモ〜。だから悪かったって、おじいさんに伝えてくれよ」
あーちゃんが心のかぎをあけると、動物でもお話ができてしまうのです
「わかったわ。安心しておじいさんと仲良くするんだよ」
「わかったモ〜!」
牛は元気にうなずきました

「こんにちは」
「こんにちは、けい君とお母さん!」
「あーちゃん、この子の心をひらいてちょうだい」
今日のお客さんは町に住んでいるけい君とお母さんです
「けい君、そんな震えなくても大丈夫だよ。けい君どうしたんですか?」
「引っ込み思案で、人と喋れないの」
けい君はお母さんの後ろに隠れてしまいました
「わかりました!すぐ心をひらいてあげるね」
あーちゃんは、かぎを握りしめます。
「けい君、君は笑顔の方がきっと似合うよ」
その鍵でけい君の心をあけました
「本当に笑顔の方がいいかな・・・」
「当たり前だよけい君!笑ったら、幸せがいっぱいだよ」
「ありがとうあーちゃん!なんだか僕、勇気が出てきたよ」
けい君は笑顔でお母さんと帰っていきました

皆も、心のかぎをあけてほしいときはかぎ屋さんへ行ってみたらどうですか?
あーちゃんが、いつでもかぎをあけてくれるでしょう。
「いらっしゃいませ!!」

■end■




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