黒子のバスケ
□お泊まり会大集合!
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これは、僕が中学生だったときの話
僕らがまだ、キセキの世代と呼ばれてなかった頃のこと・・・
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「お泊まり会したいッス!」
それは、急すぎるほど急でした
『はっ?』
青峰君と緑間君が口をポカンと開け呆然としています
僕は僕で、帰る支度を着々と進めてます
「だから〜。皆でお泊まり会がしたいんッスよ!」
皆と言うのは今ここ、部室にいる僕、緑間君、青峰君、紫原君のことでしょう
「明日は部活も休みで休日ッス!皆でお泊まり会ができる絶好のチャンスッスよ〜!」
黄瀬君が目を輝かせるのに比べ、紫原君は死んだ魚のような目をして黄瀬君を見ます
「えー。やだよめんどくさいなぁ」
「ひ、ひどいッス!!」
黄瀬君は涙目で僕を見つめました
「く、黒子っちはお泊まり会、どうッスか・・・・」
手を止め、黄瀬君を見ます
今にも泣きそうな顔をする黄瀬くんに僕は・・・
「いいんじゃないですか?楽しそうです」
笑顔で答えてあげました
「黒子っちぃぃーっ!!」
抱き付いてきた黄瀬君を華麗に避け、他の三人の意見を聞きます
「黒ちんが行くなら、オレも行こっかなぁー」
「まぁ、面白そうだしな」
「具体的に、何をするんだ?」
緑間君の問いに黄瀬くんが自信満々に答えます
「皆で、お泊まり会するッス!!」
『まんま(かよっ)(なのだよ)!』
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というわけで、黄瀬くんの家にやって来ました
「で、何するんだよ?」
「えーと・・・げ、ゲームでもするッス!」
青峰君と黄瀬君がゲームを始めます
「夕御飯、何にします?」
僕が思い付き聞くと、黄瀬くんがはっとした顔をしました
「た、大変ッス!!今うちになにもないッス・・・」
黄瀬くんが冷蔵庫を開け、皆で覗きます
あったのは卵、牛乳。
「必要最低限もねぇ・・・」
「なにも作れません」
「お菓子ない・・・」
そこで、買い物にいくことになりました
「じゃ、夕御飯の買い物に行くのだよ」
「お菓子買って〜」
「100円までですよ」
僕達は黄瀬君と青峰君を置き、買い物に出掛けました
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「料理は得意なのだよ」
「この味おいしぃ〜」
緑間君と紫原君の話を聞きながら、黄瀬くんの家にはいると・・・
「うぉぉおおーーっ!」
「やったッスー!また一位ッス!!」
「もうゴールしたのか!?まだ三周目はいったばっ・・・あぁ、また湖に落ちたぁーっ!!」
大きな奇声が聞こえました
「なにやってるんですか?」
僕が聞くと、黄瀬君は目を輝かせました
「マリオカートッス!!」
テレビの画面には、Wi〇のマリオカート。
黄瀬君と思わしきキノピオと、青峰君と思わしきクッパが写っています
「もう一回、もう一回だ!」
「なんか1or1の俺みたいッス・・・」
「うるせぇっ!!飯の前には必ず勝つ!!」
負けず嫌いな青峰君と黄瀬君を放置し、緑間君は料理を始めていました
「紫原君、夕御飯の前にお菓子でお腹一杯にしてはダメですよ」
「わかったよー」
黄瀬君のいうお泊まり会は、案外楽しいものだなぁと思いました
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夕御飯を食べ、お風呂に入り後は寝るだけ
布団を川の字方式にしき寝ます
ならび順は、紫原君、僕、黄瀬君、緑間君、青峰君です
「しょーとーッス」
黄瀬君が電気を消し、真っ暗になります
「じゃあ、ここは・・・怖い話でもするか」
青峰君がボソッと口にします
僕のとなりの布団が、ビクッと揺れました
「青峰君、黄瀬君はお化けは怖いみたいです」
「うなぁっ!?こ、こ、怖くなんかないッス!!」
「ふ、ふふ、そんなことしないで早く寝るのだよ」
「あれ、緑間・・・?」
クスッと青峰君が笑い、黄瀬君がニヤニヤしてるのが何となく伝わってきました
「なーんだ緑間っち、怖いんスかぁ?」
「な、何をいうのだよ!?」
「じゃあ、するか!」
『しない(のだよ)(ッス)!!!』
「今ドア少しあきませんでした・・・?」
「やめてっやめてくれっス〜!」
こうして、僕達のお泊まり会が終わりました
(結構、楽しかったなぁ・・・)
■end■