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□着信ナシ
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パチッ。
耕太は携帯を開いた。
―着信ナシ―
「は〜…、」耕太は寂しそうにため息をついた。
耕太の携帯には、ここ最近、十日くらい前から全然電話がかかってこない。
―まるで、忘れ去られているかのように。
<着信ナシ ~予告~>
―それは、神からの、“死の予告”でした。―
一人の中学生の、孤独な一生を書いた悲しい物語。
携帯の中の「着信ナシ」の文字。
その文字が意味するものとは、
一人の謎の商人に教わった、
“呪われた携帯”の存在。
彼は、その携帯に運命を託し、
たった一つの命を犠牲にしたのでした。
忘れ去られた彼、
彼の選んだ“道”とは何だったのか。
そこまでして彼が歩み続けた理由とは。
孤独、悲しみ、寂しさ、辛さ。
沢山の苦しみを背負いすぎた男の、短い命の結末とは…。